平成29年度 1学期始業式あいさつ

 皆さん、お早うございます。新しい季節が巡って参りました。今年は桜の花もこの始業式まで散るのを我慢してくれていたようで、学校の桜もまだきれいです。

私はこの4月に新しく金剛高校の校長として着任いたしました上本です。実を言いますと今から30年前、私はこの場所に初任者として赴任しました。9期生の1年から18期生の3年までの12年間、この金剛高校で生徒たちとともに学校生活を送りました。18年ぶりに金剛高校に戻ってくることができ、生徒の皆さんにお会いすることができて嬉しい気持ちでいっぱいです。よろしくお願いいたします。

 さて、新年度を迎えるにあたり、みなさんに2つお伝えしたいことがあります。

みなさんの今の気持ちは、どうですか。新しい学年、新しいクラスを迎えるにあたり、きっとみなさん一人ひとりは期待と不安を抱いているでしょう。新しいクラスの仲間と良い関係が結べるか、新しい担任や教科担当とうまくやっていけるか、授業や学校行事、部活動で思う結果が出せるか、進路について自分が願う進路実現ができるか、など期待と不安が入り混じった気持ちで、この場にいるのではないでしょうか。それはあなた方が悩みを抱えていると言うことに他なりません。

 悩んで良いのです。思いっきり悩んでください、トコトン悩んでください。悩んで悩んで悩み抜いてください。

 悩むことは決して恥ずかしいことではありません。悩まない方がおかしいのです。自分の人生をよりよく生きたいと願うからこそ悩むのです。

 悩むと言うと暗く落ち込むことと誤解してはいませんか。悩むことは、暗く落ち込むことではありません。

ああでもない、こうでもないと様々に思いめぐらし、悩むにも力がいるのです。お気楽、お手軽な答えにだまされてはなりません。

悩むことは頭の中でだけ考えることではありません。悩むからこそ悩みを解決したいと願い、学び、行動するのです。

学ぶとは、知識や技術を身につけようとすることです、あるいは自分以外の人から生きる指針を教えてもらおうとすることです。

 行動するとは、「本気」になって人とかかわり、ものごとに取り組むことです。

授業に、クラス活動に、学校行事に、部活動に「本気」で取り組んでください。

 中には、一人では解決できない「悩み」に直面することもあります。苦しくて「もうだめだ」と思う時があるかもしれません。そんな時は、「SOS」を出しても良いのです。「SOS」を出して、助けを求めることができることも大切な力です。

 こうしてとことん悩む中で、自分自身の「答え」をつかみ取るのです。その答えがこれからあなた方がどう生きたいのかの、進む道の手がかりを与えてくれるのです。

 「答え」をつかみ取るために人やものごとに「真剣」に「本気」に関わり、取り組んだ経験の一つ一つがあなたにとっての貴重な「宝物」です。

 あなた方一人ひとりは、かけがえのない大切な存在です。私たちはあなた方一人ひとりが自分の人生を大切にして欲しいと願っています。そのために大いに悩んでください。繰り返しますが、悩むことは恥ずかしいことではありません。自分人生と真剣に向き合うことなのです。

 私の掴み取った答え「宝物」の一つを紹介します。最初に私はこの金剛高校に新任教師として12年間過ごしたと言いました。

 そんな中で関わった生徒、支えてくれた先生方の姿や、いくつもの忘れられないシーンが今も鮮明に思い浮かびます。中でも最も苦しかったときに、私の願いに応えてくれた生徒の姿、私を励まし、大丈夫、私が側にいるよと、声をかけてくれた先輩の先生や地域の方々の姿は、一生忘れません。「宝物」です。

金剛高校は、私を人間として成長させてくれたと確信を持って言えます。

 金剛高校は人を成長させる力を持った学校だ。これが私の掴み取った答えです。

 この学校に戻ってきて、先生方と接していて、この答えに間違いがないことを、再度確認しました。

金剛高校は、あなた方一人ひとりを成長させる力のある学校です。

 どうか、仲間を信じ、先生方を信じ、「真剣」に悩み、「本気」にものごとにぶつかってください。

 私たちは、あなた方一人ひとりの人間的成長を願い、私たちも「本気」になってあなた方に向き合い、関わります。

 次に2つめの願いです。1つめの願いを違う言葉で言い換えたものです。

この始業式のあと、第38期生の入学式です。あなた方の後輩が入ってきます。

 どうか「あこがれの先輩」になってください。新入生が、あんな先輩のようになりたいと、あこがれる先輩です。

 どうすればそんな先輩になれるのか。かっこつけたり、いきがったり、無理に背伸びしようとする必要はありません。あなた方自身が、「真剣」にものごとに取り組み、「本気」になってものごとにぶつかっていく姿を見せればよいのです。

 学校行事や部活動で後輩たちを引っ張っていくことも、大切です。あなた方には、これから体育祭や文化祭、部活動で後輩たちをしっかり導いてもらいたいと願っています。

しかし、「あこがれの先輩」は、それだけを意味しません。地道にこつこつとものごとに取り組む姿勢であってもいいのです。また決められたことをきちんと守る姿勢を見せることであってもいいのです。

「お気軽」「お手軽」に、「まあまあ」「そこそこ」「なんとなく」「ええ加減」にではなく、「真剣」に「本気」な姿で取り組む姿勢が、後輩たちのあこがれとなるのです。

最後に。金剛とはダイヤモンドのことです。プリンセスプリンセスの曲に「ダイアモンド」という有名な曲があります。私が赴任した当時にヒットした曲です。この前この曲が学校で聞こえてきました。その歌詞の中に何にも代え難い大切な「宝物」の場面という言葉が出てきます。

金剛高校は人を成長させる力のある学校です。

この「ダイヤモンド」の金剛高校で、私たちと共に「宝物」をたくさん作りましょう。

「強い金剛」「楽しい金剛」「夢のある金剛」は一つ一つの「宝物」によってあなたたちが作りあげるのです。

これを新年度のはじまりに際しての私からの言葉とします。

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