• トップ
  • 2017年
  • 8月
  • 平成29年度 進路指導部冊子『進路』より「金剛高校が大切にしてきた進路」

平成29年度 進路指導部冊子『進路』より「金剛高校が大切にしてきた進路」

 「進路は一人で切り拓くものだが、一人だけで切り拓くものではない」。かつての金剛高校の先輩の先生がおっしゃった言葉です。私はこの金剛高校で3回3年生の担任をしました。私のクラスには、就職する生徒、専門学校に進学する生徒、推薦入試や一般入試で短大や4年制大学を受験する生徒もいました。就職や推薦入試で面接試験のある生徒には、進路指導部の先生と担任で何度も何度も面接練習をしました。また、各教科の先生方は繰り返し繰り返し講習を行ってくれました。

 私は合格が決まった生徒が教室で報告してきた時は「おめでとう」と小さな声でさりげなく伝えました。不合格を伝えてきた生徒には「残念だったけど、次に向けて頑張ろう」と小さな声で心を込めて伝えました。

 「おめでとう」や「残念だったね」を大きな声で、心から伝えたい気持ちは心の底にはありました。しかし、3年の2学期以降、クラスには「進路」が決まった生徒も、まだ決まらず不安な気持ちを抱えて登校している生徒もいます。生徒たちもそんな私の思いをよく分かってくれました。誰一人として自分が合格したからと言って浮かれて騒いだりしません。また、不合格だからと言って自棄になって、周りに当たり散らすことはしません。

 私のクラスで同じ大学に受験した2人の生徒が、一人は合格、一人は不合格でした。不合格だった生徒が合格した生徒に「おめでとう」「私、アカンかったけど、次、頑張る」と言っていた姿を今でも鮮明に思い出します。不合格だった生徒の心の中はいろんな思いが渦巻いていたに違いありません。しかし、この生徒は仲間に「おめでとう」と言えたのです。私はこのような生徒の担任であることを誇りに思いました。金剛高校の「進路」はこうした先輩たちが切り拓いてきたのです。あなた方も胸をはって進路を切り拓いてください。

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30