第2回学校協議会報告

平成28年度 大阪府立箕面支援学校 第2回「学校協議会」報告書

日 時

平成28年11月28日(月) 10:00~11:30(本校校長室にて)

出席者

協議会委員

職名等

学校事務局

校務分掌等

藤江 康彦

東京大学大学院教育学研究科

教職開発コース 准教授

大角 正弘

校長

岡本 民江

吹田市立こども発達支援センター

わかたけ園 園長

早野 眞美

教頭

阿久根 賢一

社会福祉法人「福祥福祉会」理事

平井 晋也

教頭

西村 金吾

本校第7代校長

山﨑 靜一

事務長

丸橋 正子

大阪府池田子ども家庭センター

地域相談課 心理総括主査

藤嶋 耕治

首席(小学部付き)、

事務局長

渡邉 千鶴

平成26年度本校PTA会長

西森 勢記

首席(中学部付き)

植野 耕司

首席(高等部付き)

川村 朋子

小学部主事

大竹 敦久

中学部主事

おもな

テーマ

・学校経営計画の進捗状況について

・学校教育自己診断について

・平成29年度使用教科書採択について

協議内容

の概略

1.学校長挨拶

2.学校経営計画の進捗状況(重点目標および新規取り組みについて)

2-1 「キラキラシート(キャリア4観点の授業シート)」の活用

2-2 地域の小中学校への人権啓発(出前授業を年間5回予定)

2-3 育成チームシステム(首席等による初任者対象の年間研修)

2-4 スピーディな学校情報の発信(HPの充実、学校便りの毎週発行)

2-5 大災害への具体的対応の推進・強化(避難訓練の工夫、全校一斉防災教育)

2-6 看護師の集中研修、大阪大学医学部付属病院との相互連携

*上記項目それぞれに対する質疑応答、提言

3.本年度の学校教育自己診断について

4.平成29年度使用教科書採択について

5.事務局より諸連絡

開会

協議内容

質疑応答

提言等

閉会

1.学校長挨拶

2.学校経営計画の進捗状況(重点目標および新規取り組みについて報告)

<2-1「キラキラシート(キャリア4観点の授業シート)」の活用>について

(A委員)キラキラシート活用実践数が6件から43件に増えているのは有用性があるからこそだと思うが、シートを活用した実践者の実感としてはどうか。

→子どもたちにどのようになってほしいのか、という事後の振り返りを大切にしてきた。その中で様々な思いを出しあえた。授業を見直すツールとしても良いシートだ。

(A委員)シートがあるからこそ"大切にしたい思い"が明確になるのでしょう。

(A委員)他学部との共同学習4件というのは、今後増えてもよいと思う。これを始めた意図は何か。

→異年齢集団での学び合いを通じて、こんな難しい楽器がお兄さんたちは演奏できるん

だ、というような「あこがれ形成」を意図していた。

(A委員)年長者にとっては、幼少者への「いたわり・やさしさ形成」にもつながっていきますね。

(B委員)シートはどのようなペースで書くのか。またどのように目標を共有するのか。

→1回の授業で1枚書くペース。チームティーチングをする授業などでは、メインプランナー1,2名で作成し、打ち合わせシート的に他の教員と授業の目的や進め方を共有している。

(C委員)公開授業とは何か。

→教員同士が互いの授業を参観できる場。

→(校長)他の教員の、特に他学部の教員の授業は見学しにくい実状があった。小中高等部の公開日をずらすことで互いに見学しやすいよう設定してくれた。授業力向上につなげる取り組みだと理解してほしい。

<2-2地域の小中学校への人権啓発(出前授業を年間5回予定)>について

(A委員)出前先の児童や教員の反応は。

→当方は多様性を伝える授業を展開したが、先方の教員からは支援学校の紹介を希望され、互いのニーズの違いを感じた。

(A委員)①多様性に対する見解の違いはあるだろう②こちらで製作、使用している教材を相手校で使うことに価値がある。使いやすさや理解しやすさを感じる児童は地域の学校にもいるはずだから。③支援学校の紹介は、こちらの本意ではないかもしれないが、やってみるのもよいかもしれない。様々な実践を試してほしい。

<2-3育成チームシステム(首席等による初任者対象の年間研修)>について

(D委員)新しい職員に対する研修の大切さは自身の職場でも実感しているが、箕面支援学校では"障がい理解"についてはどのような場で学んでいるのか。

(C委員)他校からの転勤者への研修はどのようになっているのか。

→本校ではこの育成チームシステムだけでなく、初任者研修、新転任者研修、夏季研修、各学部ごとの研修など研究支援部を中心として常に学ぶ機会を設けている。例えば、障がい理解等のテーマが含まれる新転任者研修だけでも1学期に十数回あるので、研修が多すぎて時間がないといった反省もあった。"2年目の教員向け""次世代ミドルリーダー向け"など研修対象者を分けるなどして、自分に必要な研修を選べるように工夫している。

(B委員)具体的になるが、メンター制度では9人のメンティー全員に対して4人のメンター全員であたっているのか、それとも担当を決めているのか。また、どのようにして相談の機会を確保しているのか。

→各学部で担当を決めて行ってきた。定期設定だけでなく、首席との距離感を縮める良い機会となって日常の声かけのしやすさにつながり、互いに良い効果につながってきたと感じている。

(B委員)メンター制度では、意図性や計画性も大切。ぜひ検討してほしい。

(A委員)一般校も含め、どの学校でもメンター制度は課題となっている。支援学校では、学年、教科、メンターと複数の相談先ができることになるが、そのことで戸惑いや不都合はないか。また、メンター側から見ての課題は何か。

→人によって経歴やこの職種での実務経験は様々。メンター制度を通じて首席が遠い存在ではないことに貢献してきたのは確かだが、こういった機会を通じて何を与えるか、どのように親身に寄りそうかの責任は大きいと認識している。

→(校長)相談を求める教員が、所属する学部や学年や教科によってどのような指導を受けるかが違ってくる状況がある。メンター制度は、学校全体としてのセーフティネットになりうると考える。

(D委員)支援学校ができた当時の、昔の状況を思い出した。当時は学年主任や教科の先輩方の支えがあってこそ続けられることがあったし、障がい理解などの学びに関しても自己責任、自己研鑚の部分が多く、そういった者同士が集まる研究会なども多かった。この場で現状をうかがうと、よくここまで進んできたと感慨深い。

<2-4スピーディな学校情報の発信(HPの充実、学校便りの毎週発行)>について

(C委員)A4用紙1枚が、すっきりしていて読みやすく、とても良い。他学部の様子も知ることができるので今後も楽しみにしている、ぜひ続けてほしい。

→毎週発行し、リアルタイムに、スピーディーな情報を提供することに努めている。

→(校長)校長だよりは減らし、密接にリアルな情報を各首席に書いてもらっている。

(A委員)学校便りからHPの閲覧に向かわせる工夫を続けてほしい。

→HPへの情報掲載は、存外に時間がかかり、出せない情報も出てくる。紙ベースの学校便りでは直近のことをリアルタイムに届け、HPではもう少し練られたものを届けていきたい。

(A委員)そういった使い分けを大切にしながら続けてほしい。

<2-5大災害への具体的対応の推進・強化(避難訓練の工夫、全校一斉防災教育)>について

(D委員)大災害クラスの地震になり本校が児童生徒の受け入れ先となった場合、どういったものを学校は用意しているのか。また、非常時には信じられないようなデマゴーグが流布することもあるので、保護者が正しい情報を見分けられるような安全策も検討してほしい。

(E委員)鳥取地震の時の例も含めて、万が一の場合、保護者との連絡方法はどうなっているのか。

→災害時の緊急マニュアルは既に作成済み。避難訓練もそれに基づいて行っている。個々の反省を踏まえながら現実的な訓練を行っていきたい。

→(校長)本校は避難所として指定されていない。福祉避難所としてできる範囲で社会貢献するしかない。東日本大震災の時に児童生徒の受け入れをした支援学校があるように、「何もできません」とは言えないと考える。今後、府教委の方でも指針を検討していくだろう。

→(校長)緊急メールを登録している保護者には、学校発信の情報を一報できるようになっている。

(A委員)今回備蓄食の活用がテーマとなっているが、児童生徒と一緒に学校の中の危険個所点検をする等のような防災教育の計画全般はどうのようになっているか。

→実際の避難訓練を行う中で職員の意識、気づきは向上し、校内の危険個所や避難する際の危惧となる場所は個別補修を重ねてきた。着々と安全性は向上してきている。

→(校長)廊下にあるウォーカー、立位台や車椅子などの非構造物が避難経路を塞いでしまう場合もあるので、日々の整理整頓には留意している。

→(教頭)鳥取地震の時の反省課題でもあるが、各教員の携帯で緊急避難警報を受け、各教室内で安全確保をした後に、実際の情報をメディアで確認をし、通常通りのバス下校を行った。地震の規模によっては、校舎内にとどまるのか、屋外に避難するかの判断などが必要になってくる場合もあるだろう。

(C委員)今年の実施計画の中にある「備蓄米の試食」に関して、本当に食べられるか不安に感じている保護者もいるかと思う。見学したい方が来やすいように事前周知してほしい。

(D委員)人工呼吸器を使用している児童生徒などもいるので、ドクターヘリが活用できるよう屋上をヘリポート化することの有用性も検討してほしい。

<2-6看護師の集中研修、大阪大学医学部附属病院との相互連携>について

(D委員)看護師の雇用形態はどうなっているのか。

→(校長)常勤の場合は臨時技師。昨年度より、本校から要望を重ねて、安全安心を高めるために常勤看護師の体制を整えてもらった。本校は府内でも先進的である。

(A委員)様々な専門性を持った方々が勤務すると同時に、その異職種間での連携が課題となってくる。

*上記6項目の進捗状況を振り返っての感想

(B委員)ここ数年での期待できる成果や効果を感じた。学校便りなどを通じての情報共有がきちんとできているかの検証をしてほしい。

(F委員)キラキラシートなど、やはり効果測定は大切であるので行ってほしい。

(C委員)今の学校便りをぜひ続けてほしい。

(E委員)質の向上を数字化するのは難しい課題だが、良き見本となるだろう。

(D委員)本当に(支援学校の体制が)整ってきたという印象を受けた。

(A委員)どこの学校でも、このようになれば良いと思う。

3.本年度の学校教育自己診断について

(教頭)保護者向けのシートも教員向けのシートも、他校にならって25項目程度に質問項目を減らした。教員からの回収率は上がっている。

(C委員)より答えやすくなっているので、保護者向けシートも回収率が上がるのではないだろうか。

4.平成29年度使用教科書採択について

(D委員)大変な作業ではあるが、慎重に進めてほしい。

5.事務局より諸連絡

・今回の報告書はWebに掲載する。

(校長)今年は具現化の年であった。今後も引き続きご協力をお願いします。

以上