平成30年度 大阪府立箕面支援学校 第2回「学校運営協議会」報告書
日 時 |
平成30年11月19日(月) 10:00~11:30(本校校長室にて) |
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出席者 |
協議会委員 |
職名等 |
学校事務局 |
校務分掌等 |
山本 智子 |
皇學館大學 教育学部 准教授 |
早野 眞美 |
校長 |
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阿久根 賢一 |
社会福祉法人 福祥福祉会 理事長 |
木村 宗一 |
教頭 |
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中島 淳 |
大阪府立池田子ども家庭センター育成支援科 課長補佐 |
田口 登志子 |
教頭 |
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千馬 外代美 |
本校後援会 会長 |
古川 義文 |
事務長 |
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村田 文代 |
本校保護者 |
藤嶋 耕治 |
首席 事務局長 |
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植野 耕司 |
首席 |
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(欠席者) |
李 容司 |
首席(保健主事) |
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岡本 民江 |
吹田市立わかたけ園 園長 |
稲野 早苗 |
首席(高等部主事) |
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川村 朋子 |
小学部主事 |
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福山 大吾 |
中学部主事 |
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総務部(記録) |
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おもな テーマ |
「学校経営計画の進捗状況について」 |
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協議内容 の概略 |
1.学校長挨拶 2.学校経営計画の進捗状況(重点目標および新規取り組みについて) ・特色創造PT『どこでもカフェ』の取り組みについて ⇒カフェ体験 ・今年度のリーディングスタッフの取り組みに状況について 3.上記取り組みに対する質疑応答 4.平成31年度 使用教科用図書採択について 5.事務局より諸連絡学校長挨拶 |
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協議内容 質疑応答 ・ 提言等 |
【校長挨拶】 本日は、学校経営計画の進捗状況を報告し、実際に「カフェ体験」をしていただき、本校の『どこでもカフェ・プロジェクト』(※以下、『どこでもカフェ』)についてもご意見をいただきたい。 【カフェ体験】 ・保健室前に設置した『どこでもカフェ」』(今回は中学部生徒が実施)を実際に体験していただき、委員と生徒とで交流。 【学校経営計画の進捗状況について】 <校長より> ・今年度は「一人ひとりのいのちの輝きをたいせつに」を合言葉に取り組んでいる。 ・「安心で安全な学校づくり」については、特に「医療的ケアの充実」に力を入れている。 ・「人権の取り組み」については、「人権出前授業」で地域の小学校に出向いている。 ・「災害対策」については、今年度の大災害を受けて、BCPの見直しをしている。 ・「キャリア教育」については、「キャリア教育コーディネーター」の教員を置き、昨年度より3年計画で『どこでもカフェ』に取り組んできた。3年目には「屋台カフェ」で、地域に発信していきたいと計画している。 ・「授業力の向上」については 、ADS(自立活動アドバイザリースタッフ)・首席・指導教諭が中心になり、初任者や2年目の教員の授業サポートにあたっている。 【『どこでもカフェ』プロジェクトについて】 <事務局Aより説明> キャリア教育で育てたい力(4項目)を小学部・中学部・高等部で連携・継続して育てていくことがねらいである。キャリア教育で育てたい力を、ひとつの大きな取り組みとして形にしているのが『どこでもカフェ』であり、今年で2年目になる。来年度3年目には地域に出て行って実施する予定である。 今年は『どこでもカフェ』に対する全体の肯定的評価:70%を超える事が目標。昨年度は、保護者の肯定的評価:60%、否定的評価:10%、わからない:30%であり、教員の肯定的評価:64%、否定的評価:23.7%、分からない:7.3%だった。 1年目は「考える力」をテーマに、2学期始業式からスタートした。その後、豆挽き体験、ロゴマークコンテスト、各学部間の共同学習、お皿のサンプル作り、屋台デザイン制作、珈琲入れ体験などを実施した。 2年目は「人と関わる」をテーマに、ドライフラワー作り、カフェ開き、納涼大会どこでもカフェブース、全校カフェ交流会などを行ってきた。 3年目は「社会に向かう力」をテーマに掲げて取り組んでいく予定である。 《委員からの質問・意見等》 <委員A> 先生方と生徒の積み上げによって、『どこでもカフェ』が深化している様子がわかった。1つのものが完成するまでのプロセスは必ず子どもたちに残る。これまでのところで、将来的な進学率についての目に見える効果はあるか? <事務局A> 今のところ進路に関して目立った効果はみられないが、社会的コミュニケーション・スキルの獲得といった点については必ず効果があると思う。 <委員B> 今日のカフェ体験はすばらしいと思った。子どもたちに直接関われてよかった。その中で、短時間での子どもたちとの「やり取り」をより効率的にしたいと感じた。できれば、接客をする子どもとお客さんが目線を合わせやすい高さにする、ニックネームなどの名札をつける等の工夫があれば、より話しかけやすくできると思う。 <委員C> チケットを配る生徒の手に力が入っていた。教員が生徒の名前を呼んでチケットを渡すように促していた。待つことが大切だと思った。3年計画ということで、継続することが大切であり、それが達成感につながる。生徒の状況についても、小・中・高の流れの中で引き継がれていってほしい。3年目以降も『どこでもカフェ』は継続されるのか? <事務局A> 3年目以降も継続して取り組んでいきたい。 <委員D> 『どこでもカフェ』の取り組みが始まったきっかけは府教委から予算がついたからなのか?この取り組みが終わったら、府教委に報告することになっているのか? <校長> 学校経営推進費での取り組みということなので、『どこでもカフェ』の取り組みについては、3カ年計画で毎年府教委に報告することになっている。 <委員D> 今後、予算がなくなって、その先何もなくなってしまっては意味がないと思う。昨年度、教員の学校教育自己診断結果で『どこでもカフェ』についての否定的意見が多いのが気になった。教員がチームとして足並みを揃えて、盛り上げていってほしい。 <委員E> 何事もパイロット的に進める立場の教員は大変だと思う。教員の否定的意見は、当初、形が見えてこないとどうしても否定的なものが多くなるだろう。保護者の回答で「わからない」があるのも気になるところである。取り組みを進め、子どもたちの変容から形が見えてくるのではないか。 また、高等部の生徒だけでなく、小学部児童・中学部生徒も関わって学校全体で取り組んでいることは素晴らしい。 予算の確保や目標設定等、いろいろと難しい課題があるとは思うが、どんどん地域に発信し、広く展開していってほしい。 <委員B> 現在のロゴマークは今後もずっと使用するのか。ロゴマークの著作権はどうなるのか等、著作物の取り扱いについても、世の中の仕組みとして子どもたちに教えていってはどうか。 【LS(リーディングスタッフ)の取り組みについて】 <LSより説明> ・本校のLSは各学部に1名ずつ配置している。 ・訪問相談や来校相談は当該市教委より依頼がある。ここ数年の傾向としては、知的・発達障がいについての相談内容が多い。 ・本校LSへの研修会等の講師派遣依頼についても「発達障がいについて」のテーマが増えている。 ・校内支援としての教員向けの「お悩み相談BOX」について、支援学校に初めて勤める教員にとっては、専門的な用語や手技を覚える大変さや、授業を展開していく上でわからない事が多くて悩みを抱えやすいといった現実があるため、組織内で相談窓口の一助になればと考えて設置している。 <事務局Aより「人権出前授業」について説明> ・箕面市立の小学校を対象に「人権出前授業」を実施している。「みんなちがってみんないい」という詩の意味をみんなで考えながら、多様性を認める学習をしている。支援学校の紹介をする中で、児童からは「箕面支援学校に行ってみたい」という感想もあった。 《委員からの質問・意見等》 <委員D> LSが地域の学校とのつながりを持つこと良いこと。知人が地域の学校と支援学校とのどちらに行くかで迷った後に地域の学校に行ったが、支援学級の担当教員(※以下、支援担)のスキルや校内支援体制が不十分で、苦労しているようだった。そういったことをサポートする意味でもLSには支援担の研修などにも力を入れてほしい。 <LS> 就学前の子ども個々に支援の方法が違う。どの学校に行ったとしても、LSが引継ぎの役割を担っているケースもある。 <委員C> LSには「親の会」でもお世話になったことがある。学校時代にパニックの対応など、保護者と支援担で積み上げてきたが、支援担が1~2年で変わってしまって継続性が保てず、また1からのスタートになってしまうことがあった。また、支援担と考え方が合わない場合は大変な思いをする...等、いろいろな問題があると感じている。そういったケースでも、LSが両者のパイプ役として関わってくれたら、保護者も心強いと思う。 <委員B> 「人権出前授業」での小学校の子どもたちの感想がとても良い。視野を広げる良い機会になっていると思う。 <委員A> 一般の学校に何らかの障がいがある子どもが一定数いる。子どもたちは何とかして障がいがある友だちと関わろうとして「○○さんは障がいがあるの?」と声をかけるが、関わりをコーディネートする立場の教員が「障がいという言葉は使ってはいけない」等と言って、表面的なことにこだわり、関わろうとしている子どもの芽を摘んでしまっているケースが見受けられる。個々の教員の「障がいへの理解」がないのだと思われる。LSの果たす役割は重要である。地域の教員にもどんどん発信してほしい。 <委員E> LSの活動について、工夫されていて良いと思う。個別的な教員への対応については、直接教育委員会へ言った方が対応が早いと思うが、保護者が直接教育委員会に言うとクレーム扱いになってしまうかもしれない...。しかし、保護者が行動する事は大切である。保護者に向けた「お悩み相談BOX」もあればよいかもしれない。 【放課後等デイサービスとの連携について】 <事務局B> 前回、福祉との連携、とりわけ放課後等デイサービス(※以下、放デイ)との連携についてお話した。学校、放デイでの様子をお互いに知り、各所での子どもたちの様子を見極めたいということで、夏季休業中に放デイ8事業所を訪問した。今後は相談支援員を介して、ひとりの子どもについて話す機会を作っていきたい。また、主治医からの情報を、保護者を通じて、放デイでも共有したいとの話も出ている。 <委員D> 放デイ自体も変わってきている。現在利用している放デイでは、年に1回1時間程度の保護者懇談がある。きちんとした放デイはそういった努力をしていると思う。選択する親の目も重要。学校教員の負担を増やすばかりでなく、親がしっかりと見る目を養うことも大切だと感じる。 <事務局B> 放デイによっては、「個別の教育支援計画」を立てたことのないところもあり、情報共有や指導方針について大雑把な面も見受けられた。 <校長> 国としても、学校と放デイ等との連携を深めていくという方向である。 【平成31年度使用教科書採択について】 確認。(特に意見なし) 【校長より】 『どこでもカフェ・プロジェクト』をこれからもよい形で続けていきたいと考えている。そして、支援学校の役割として、地域の学校の支援力を向上するために、引き続き努力していきたい。また、今後も委員のみなさんのお力を貸していただきたい。 【事務局より】 次回、第3回学校運営協議会では、学校教育自己診断の報告まとめ、今年度学校経営 計画のまとめ、来年度の学校経営計画についてご意見をいただければと考えている。 (以上) |