第3回学校運営協議会報告

平成30年度 大阪府立箕面支援学校 第3回「学校運営協議会」報告書

日 時

平成31年2月5日(火) 10:00~11:30(本校校長室にて)

出席者

協議会委員

職名等

学校事務局

校務分掌等

山本 智子

皇學館大學 教育学部

准教授

早野 眞美

校長

阿久根 賢一

社会福祉法人 福祥福祉会 理事長

木村 宗一

教頭

中島 淳

大阪府立池田子ども家庭センター育成支援科 課長補佐

田口 登志子

教頭

岡本 民江

吹田市立わかたけ園

園長

古川 義文

事務長

村田 文代

本校保護者

藤嶋 耕治

首席、

事務局長

植野 耕司

首席

(欠席者)

李 容司

首席(保健主事)

千馬 外代美

本校後援会 会長

稲野 早苗

首席(高等部主事)

福山 大吾

中学部主事

(欠席者)

川村 朋子

小学部主事

おもな

テーマ

「平成30年度学校経営計画評価」、「平成31年度学校経営計画」について

協議内容

の概略

1.開会、学校長挨拶

2.「学校教育自己診断」結果と本校の課題について

3.「平成30年度 学校経営計画評価」(案)について

4.「平成31年度 学校経営計画」(案)について

5.学校長挨拶、事務局より諸連絡、閉会

6.カフェ体験

協議内容

質疑応答

提言等

【校長挨拶】

今年度も、委員の皆さんに貴重な意見をいただきながら頑張ってきた。来年度の学校経営計画についてもご意見をいただいて、来年度に向けて進んでいきたい。学校運営協議会は今年度から制度内容が変わり、1年やってきたが、その役割のひとつとして、平成31年度の学校経営計画について、本会で承認していただきたい。

先日の朝日新聞に医療的ケアが必要な生徒が通学バスに乗れないということが全国的に課題になっていることが掲載された。来年度から、大阪府立の支援学校に在籍する5校5人の児童生徒をモデルケースとして、通学支援策を実施するとのこと。対象の学校はまだ決まっていない。現在は自治体ごとに通学支援対策をとる形になっている。箕面市であれば「オレンジゆずるタクシー」、大阪市では数年前から、看護師を添乗させての介護タクシーで対応している。今回、大阪府立の支援学校においては、保護者の送迎手段がなく訪問籍(登校はスクーリング)になっている児童生徒対象に来年度から予算がついた。子どもの教育機会保障、保護者負担の軽減のための新たな事業が始まる。

【学校教育自己診断の結果について】

<事務局Aより報告>

保護者による自己診断の「肯定的回答」が多い項目については、「学校が楽しい場所になっている」が2.9ポイント上昇。『どこでもカフェ』の活動などを通して、居場所や活躍できる場所ができたことも一因ではないか。「HPや学校便りを活用し、情報の発信によく取り組んでいる」は10.3ポイント上昇。ブログや学校便りが活用されているのではないか。「備蓄品の備えや防災対策によく取り組んでいる」は9.6ポイント上昇。地震を体験して備えを改善しようとする気持ちの現れではないか。

「否定的回答」が多い項目については、「授業内容は子どもに合っている」が5.7ポイント上昇。子どもに対する適切なアセスメント・実態把握が必要ではないか。

「分からない」が多い項目については、「いじめ」「進路」において、小中学部と高等部で温度差がある。高等部では進路説明会や進路懇談などもあり、一定理解されているが、小中学部では具体的にどういう意味かが分かりにくいのではないか。

《委員からの質問・意見等》

<委員A>

「授業内容は子どもに合っている」については、学部・グループによっても評価が違うのではないか。どこに属する保護者が回答しているのかわかれば改善できるのではないか。「学校は進路について必要な情報の提供や相談に応じている」については、小中学部の関心の低さ(進学はエスカレーター式なので)や漠然とした不安の現れではないか。高等部になれば、進路について必死に考える。それ程懸念しなくてもよいのではないか。

<委員B>

「わからない」という回答が多いのは、個々での体験や経験から回答している人もいれば、「何となく」といった感覚でアンケートに答えている人もいるからではないか。それがミックスされた結果なので、真意を読み取るのが難しい。保護者の回収率70%ということなので、まだ取りこぼしている意見があるかもしれない。具体的な意見を回収できれば、より改善につなげていきやすいと思うが。

<事務局A>

教職員には、職員会議で結果をフィードバックしている。保護者に対しては、アンケートに封筒をつけることで回収率が上った。

<委員C>

自由意見を書く欄はないのか。

<事務局A>

学校HPや校長Dメール、授業アンケート等の他ツールがあるため、4年前から学校教育自己診断については自由記述をなくした経緯がある。

<委員C>

自由記述は、何気ない意見を聞くためのよい機会ではある。非常にシビアな意見や日頃の些細なことへの意見が出てくる事もある。

<校長>

この時期は保護者向けのアンケートが多い時期となっている。保護者負担が大きかったかもしれない。また、別途「授業アンケート」の自由記述で率直な意見をいただけていると思う。進路について等、項目自体の質問の聞き方を工夫していきたい。

<委員D>

なかなか保護者の考えに行きつけないというところで、保護者の言いにくい事を聞き取る場(自由記述)も検討していって欲しい。同じ時期にアンケートが多いことについては府教委とも調整して欲しい。学校がうまくコーディネートして、保護者負担を減らしてほしい。

<委員A>

保護者は日々の準備で精一杯という方も多いのではないか。

<事務局Aより>

教職員による自己診断については、今回は回収率100%であった。「肯定的回答」が多い項目の「児童生徒の実態をふまえ、指導内容や指導方法の工夫・改善を行っている」について、保護者の回答とのギャップが見られる。校内研修等で改善していきたい。「否定的回答」が多い項目については、大半が会議関係である。限られた時間内にどう工夫して話し合っていくかを考えていきたい。「授業シートの活用」や、「異年齢集団の共同学習の実施」、「『どこでもカフェ』事業などを通して、自分らしい生き方を実現していくキャリア教育を推進していく」の項目では、カフェ実施前とカフェ実施後とで回答に幅がある。「教科とキャリア教育との関連性」をどうするか、改善の余地がある。

《委員からの質問・意見等》

<委員B>

回答率100%は初めて。進化している。これからどう活用していくかが大切。ただ、教員の回答に「判断できない、わからない」という回答があるのはなぜか?

<校長>

経験の少ない教員、または同じ学校組織内であっても、その教員自身が関わっていない部分など、わからない所があると考えられる。

<委員B>

100%の回収率は評価できるが、中身についても考えていかなければと思う。

<委員D>

質問の文章を工夫していかなければならないのではないか。1つの文章にいろいろな複数の要素が入り過ぎているものがある。アンケート文章内容を改善すると「わからない」が減るのではないか。

<委員E>

回収率100%は評価できる。ただ、「本校の教育課題について、教職員で日常的に話し合っている」の「否定的回答」が多いのが気になる。子どもにとって「安全・安心」であるために、教員の「安心・安全」についても話し合っていけているのか。

<校長>

「ストレスチェック」の結果に基づいてサポートしている。昨年度よりは改善しているが、今回の診断では30代教員の負担感が大きいという結果が出ている。適切にサポートしていきたい。

<委員A>

128人もの先生がいる中で回収率100%はすごい。どんな工夫をしたのか。

<校長>

 提出については、職員会議での声かけや提出チェックなどを徹底した。次回アンケートにもつなげたい。回答項目についても、さらに整理していきたい。

【「平成30年度学校経営計画評価」(案)について】<校長より説明>

「1、児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた教育活動の推進」について

『どこでもカフェ』の実施で、生徒も教員も良い形で経験ができた。来年度(3年目)につなげていきたい。

「2、支援教育に関する高い専門性と授業力の向上」について

○初任者の指導と充実した研修の実施、○誰でもできる自立活動への取り組み、○シラバスの作成に向けた取り組み、を行った。

「3、保護者や地域に信頼される開かれた学校づくり」について

○HPでのタイムリーな情報を発信、○LSについては高評価をいただいている、○臨床心理士の派遣、を引き続き行っていく。

「4、人権を守る安心で安全な学校づくり」について

○人権研修の拡大、○専門家による研修、○BCPの作成、をしてきた。平成31年度は、医ケアを必要とする生徒の安全確保のために、○医ケア重点校として、主治医の学校訪問の充実を推進して、学校の安全安心を充実させてきた。

【「平成31年度学校経営計画」(案)について】

「1、児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた教育活動の推進」について

全ての子どもの教育の充実、キャリア教育の充実、個別の教育支援計画の活用をしながら教育の推進をしていく。キャリア教育については注釈をつけた。

「2、支援教育に関する高い専門性と授業力の向上」について

教育課程の編成、教職員の研修・研究の充実、多様な子どもへの対応、首席による「育成チーム」を活用しながら職員経験の少ない教員の資質向上、ベテランが少なくなっていく中で「誰でもできる自立活動」を目指していく。

「3、保護者や地域に信頼される開かれた学校づくり」について

情報発信・情報提供の強化。進路情報についても取り組む。

「4、安全で安心な学校づくり」について

子どもはもちろん、教員の人権、BCPに基づいた安全教育、医ケアのさらなる充実、に向けて取り組んでいく。

《委員からの質問・意見等》

<委員D>

 平成31年度の学校経営計画(案)については、内容を整理,精選されたのがわかる。平成30年度と比較して分かりやすくなった。今後も分かりやすい形を工夫していくことが必要だと思う。

<E委員>

全ての人が分かりやすいという観点から言えば、ICTなど文言を分かりやすくしてはどうか。

<委員D>

 ICTは学校HPの用語解説のページには記載されている。学校経営計画にも注釈をつけておくとよいのではないか。

<委員E>

 この用紙(学校経営計画)だけで理解できるようにしておくと、より親切だと思う。

<委員A>

保護者にしてみれば、HPで計画を見た時に、「行きたい学校だ」と思えるようなものであって欲しい。入学前に支援学校を経験する機会があれば、と思う。

<委員D(議長として)>

 (全委員に対して)「平成31年度学校経営計画」(案)についてご承認いただけるか。

<全委員>

 異議なく承認する。

<校長>

 ありがとうございます。この項目・内容で教職員と頑張っていきたい。

【第2回議事録の確認】

全員異議なく議事録について承認。

【今年度の学校運営協議会委員より一言】 

<委員D>

 委員の皆様の協力で今年度を無事に終えることができました。ありがとうございました。先生方にも様々な資料準備等をしていただいて、ありがとうございました。これからも子どもたちのためによろしくお願いします。

<委員B>

 先生方の努力で学校が年々良くなっていると感じる。ゴールがないことだが、今後も頑張って欲しい。医ケアが充実していることも嬉しく思う。地域との連携も良い関係を作れている。地域の一員として、ここで勉強した事を持ち帰って、協力していきたい。

<委員C>

箕面支援学校と地域との違いを勉強させてもらった。自立活動の取り組みは支援学校ならではと感じる。今後も特色ある活動を充実させていってほしい。

<委員E>

 委員2年目になるが、毎回先生方が意欲的に取り組んでいて勉強になる。進路の情報についても発信していってほしい。

<委員A>

 自分の息子が来年卒業になる。いい学校だったな、と思う。先生方は、理想と現実のギャップに苦しんで、自分が支援学校に関わっていっていいのかと悩まれる事もあると思う。難しい生徒や保護者もいると思う。でも、先生たちの力で箕面支援に頑張ってもらいたい。

【校長より】

 委員の皆様からの言葉が励みになる。子どもたちはもちろん、教職員も大切にしながらやっていきたい。委員の皆様のご意見を取り入れながら、教職員に返していきます。

1年間本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

【事務局より】

 事務連絡。

(以上)