全国大会の経験をこれからの財産に
前回お知らせした、サッカー部が関西代表として出場した「全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権大会」が2月17日・18日に静岡県藤枝市の藤枝総合運動公園で行われました。
土曜日から行われる大会に向け、金曜日の昼休みに学校からバスで出発、見送りに集まった友だちや先生から「がんばれよ」「点取ってこいよ」などと励まされ、窓から手を振って答えていました。送られる方も送る方も皆うれしそう。冬の昼時の明るい日ざしの中、私も「全国大会出場おめでとう」と喜びが湧きあがり、晴れやかな気持ちになりました。
迎えた大会当日、晴天に恵まれたものの風が強く、本校の試合会場である陸上競技場が山を切り開いたような場所にあったためか、試合では、強風でセットプレーのボールが蹴る前に転がってしまい、何度もやり直さなければならないほどでした。
試合開始は正午。入場に先だって両チームの選手が場内放送で紹介され、いよいよ雰囲気が盛り上がります。スタンドには大阪から応援にかけつけてくれた選手の家族や学校の先生たち。PTAで作った「仲間とともにベストを尽くせ!」の横断幕と学校ののぼりが全国大会の会場にはためきます。
場内にアンセムが流れ、両チーム選手が審判に先導されて入場!Jリーグの試合と同じ入場方法でスタジアムの歓声がいっそう大きくなりました。
選手の胸に「NANIWA」、右腕には「OSAKA」の文字。真新しいサックスブルーのユニフォームが輝いて見えます。さあ、キックオフ!相手は岐阜県立本巣特別支援学校。前半は風下で蹴ったボールが戻ってしまうことも多く、なかなか攻撃できない中、よくこらえましたが1点取られました。後半になり先に追加点を与えてしまいましたが決してあきらめず、何回もゴール前まで迫り見事にゴール!1点を返しました。得点してなお勢いが出て、最後までよく走りましたが残念ながらタイムアップ、1-2で敗れました。
取られたら取り返そうと粘り強く走ってボールを追いかけ、倒されてもすぐ起き上がって走る選手のひたむきなプレーに胸が熱くなり、私も声をからして応援しました。
終わって肩を落とす選手に「勝たせてやりたかった」と思いましたが、力を出し切った後、それほど時間をかけずに気持ちを切り替えたようで、後から聞くと、他のチームの試合を見て戦術や選手の動き、チーム全体のまとまりなどについて多くのことを考えることもできたようです。
全国大会を経験し、より高みをめざしてルールを守りフェアプレーを心がける、その先には障がいの有無にとらわれないサッカーを通じた出会いや自由なプレイフィールドがあることを知ったことが、これからサッカー部の、あるいは全校の有形・無形の財産となっていくはずです。
今回、藤枝に向かう途中、静岡駅に着く手前で新幹線の窓外に富士山がとてもきれいに見え、ここに連れてきてくれたサッカー部に感謝!全国大会に出場する前、サッカー部は部員と先生とで冬休みに学校の近隣で清掃や窓拭きのボランティアをしたことも思い出し、それも含め全国大会出場になったと喜びました。