「文化展示発表会」の日

 皆さん、こんにちは。久しぶりの学校ブログ更新です。

 学校再開から3か月が経過し、9月5日(土)に令和2年度文化展示発表会を開催しました。感染防止対策のため、参加者は本校生のみとさせていただきました。それでも、校内は一日中、生徒たちの素敵な笑顔にあふれ、皆、この状況の中でも思い切り「文展」を満喫していました。「明朗にして適度に楽しむことを忘れない」天高生、流石です。

その様子がこちら。

 1年生の劇は、マスクをしての舞台でしたが、役者の声はしっかりと体育館に響いていました。大したものです。2年生、3年生のイベントや映像作品は、創意工夫に富み、参加者を大いに楽しませてくれました。文化部の催しも日頃の成果を大いに発揮するものでした。文化部の会場にはハイレベルな作品が並び、また、校内には文化部の素敵な演奏と歌声が響きました。

 短い準備期間、しかも感染症対策に気を配りながら、様々な制限のなかで、夢中になって取り組んだ文化展示発表会。そこには天高の「文化」がありました。何事にも手を抜かず全力で仲間とともに創り出す「文化」です。わずか一日の煌めきですが、一瞬の輝きを放つ花火のように、私たちを癒し、豊かな心を残してくれました。

 21世紀、世界の「文明」は素晴らしい進歩を遂げてきました。効率を追求し、無駄を排した様々な文明の利器の数々。パソコン、スマホ、AI機能のついた電子機器。その進化のスピードは凄まじく、その成果を享受するはずの人間の心が追い付いていないような気がします。今、世界に広がる様々な問題は、豊かな文明の陰で、人々の心の豊かさが失われていることから来るのではないでしょうか。

 文展の日の朝、今年の4月に亡くなられた映画監督の大林信彦さんの足跡を振り返るテレビ番組が放送されていました。番組の中で紹介されていた大林監督の言葉がとても印象的でしたので紹介します。

 「幸せにならないための開発や文明化、経済大国は少しもいいことではない。私が守り続けてきた尾道も、そういう意味では文明の尻尾になるより、文化の頭になってほしい。」(大林監督の「尾道三部作」は、尾道の古い街並みを背景に描いていることで有名。)

「文明の尻尾になるより、文化の頭になってほしい。」

文化展示発表会の日の朝に聞いたこの言葉のとおり、「文化」の取り組みを通して、天高生の豊かな心が育まれることを願っています。

令和2年9月7日 学校長