2学期始業式

 昨日から2学期が始まりました。1時間め2時間めは授業を行い、3時間めに始業式を実施しました。「新型コロナウイルス対応で密を避けること」と「熱中症予防のために空調の効いた場所で行うこと」、この二点から、教室での放送による始業式となりました。本校は、放送室に複数台のパソコンを持ち込み、ケーブルでつなげることで、各教室に一斉に同じ映像を届けることも出来ます。そこで、私の話では、合間合間にパワーポイントに落とし込んだ写真や文章を映像で見せて、生徒の皆さんに想いを伝えました。以下がその内容です。

『皆さん、お早うございます。短い夏休みでしたが、元気に過ごせましたか。先週からあまりにも暑い日々が続いています。熱中症にも十分気を付けてください。さて、今年の6月1日と7月24日にある企画が行われました。何か判りますか。正解は次の写真です。

 サプライズの花火大会です。例年なら、7月最終週に天神祭の花火、8月1日に富田林でPL花火大会、8月6日の木曜に茨木弁天さんの花火大会、8日の土曜には淀川花火大会が開催されるはずでした。しかし、新型コロナウイルスの影響で、軒並み中止。そんな中で、6月1日、全国の163の花火業者(全国煙火協会所属)が一斉に午後8時から5分間、花火を打ち上げました。今年は多くの花火大会が中止になり、花火業者の方の収入も殆ど無くなりました。それでも、花火業者の人たちは、自分たちに出来ることは何か無いかと考えたそうです。運営側の公式サイトにはこう書かれています。

「花火のルーツをたどると、悪疫退散祈願を目的として花火を打ち上げたことが花火大会の起源ともいわれており、鎮魂を目的とした花火や復興を願う花火もこれまで多く打ち上げられてきました。我々、花火業者にできることは、花火をつくり、打ち上げることです。悪疫退散を祈願し、花火を見上げて"笑顔"になってもらう。全国の人たちに希望と元気を届けたい。ひとりでも多くの人にこの想いをお届けできるよう、全国各地で一斉に花火を打ち上げるプロジェクトを立ち上げました」

 そうです、花火の起源は疫病退散だったのですね。歴史的記録の残るものは両国の花火が最古となっています。江戸時代の享保17年(1732)の大飢餓で多くの餓死者が出て、更に疫病が流行し国勢に多大な被害と影響を与えました。幕府(8代将軍吉宗)は、翌18年(1733)5月28日(旧暦)犠牲となった人々の慰霊と悪病退散を祈り、隅田川で水神祭を行いました。この時に、両国橋周辺の料理屋が公許(許可)により花火を上げたことが「両国の川開き」の由来とされています。だから、新型コロナウイルスで大変な今年、まさしく花火を打ち上げる事は理にかなっているわけです。同じ趣旨で7月24日、本来は東京オリンピックの開会式が行われる予定だった日にも、120か所、実際は悪天候のところもあったので114か所で同時に花火が打ち上げられました。

 花火師の方はこう言います。「我々、花火業者に出来ることは、花火をつくり、打ち上げること。  今出来ることにしっかりと取り組みました。花火を見るときって、皆、顔を上げて上を見るでしょ。  コロナで大変だけど、皆、顔を上げて、前を向いて進んでほしい。今、できることに取り組んで、皆さんが顔を上げて前を向いてくれたら、私らも元気が貰えるんです

 いよいよ2学期が始まりました。例年より1週間以上早いスタートですし、新型コロナウイルスもなかなか収まりません。そんな中でも、皆さん、ぜひ「今出来ることにしっかりと取り組んで」「誰かのために頑張って」ください。

 最後に1学期終業式で紹介した沖縄の病院の先生、高山先生の言葉をもう一度お伝えします。「できることを地道にやってリスクを減らしていくしかありません。症状のある人は休む、手をきちんと洗う、マスクをつける、皆が触れるところを丁寧に定期的に消毒する。こうした基本的なことを地道にやっていく。とはいえ、ウイルスを持ち込まれる可能性はあります。その時に大切なのは、非難しないということです」

 以上で私からの話は終わります。』

 今回も放送室で話をしたので、生徒の皆さんの反応は直接感じる事は出来ませんでした。ただ、前回と同様、担任の先生や廊下で様子を見ていてくれた副担任の先生によると、皆、しっかりと話を聞いてくれていたようです。