第37回卒業証書授与式

 新型コロナウイルスの感染がまだ高い水準で続いていますが、感染防止の取組みを徹底して、本日(26日、土曜)に第37回卒業証書授与式を挙行しました。生徒の卒業を祝うように、日差しも柔らかな暖かいものでした。以下は式辞で述べた話です。生徒は本当によくしっかりと聞いてくれていました。

『まだまだ朝は冬の寒さを感じますが、暦の上では、立春・雨水が過ぎ、春の訪れを感じる季節となってまいりました。37期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、これまで成長を見守ってこられた保護者の皆さま、本当におめでとうございます。本来であれば、多数の来賓の皆さんにお越しいただき、ともに卒業を祝って頂く予定でしたが、新型コロナウイルス感染防止のため、本日はご参加いただいておりません。多くの来賓予定の皆さんからは、卒業を祝うお言葉をいただいています。さて、卒業生の皆さん、皆さんからはたくさんの元気をもらいました。ありがとう。夏の野球部の頑張り、サッカー部・陸上競技部・男子バスケットボール部の試合も見せてもらいました。今年度も新型コロナウイルス対応で中止になりましたが、地域の祭りなどで素晴らしい演奏を聞かせてくれた吹奏楽部・軽音楽部、いろんな場面でキレッキレのダンスを披露してくれたダンス部、アクティブな活動をしてくれた鉄道研究部、ボランティア部。美術部や書道部の高校展も行かせてもらいました。他の部活動もみんなよく頑張りました。春の応援パフォーマンス、秋の体育大会。制約の多い中で実施された各団の応援や競技、素晴らしかったです。阿武高祭では、3年生全クラスが素晴らしい舞台を見せてくれました。ありがとう。高校生活で、今を精一杯生きて、誰かを支え、誰かに支えられたのではないでしょうか。皆さんが卒業の歌に選ばれたファンキーモンキーベイビーズの「ありがとう」という曲にこんな歌詞があります。「いつもそばにいて 支え合えた日々と 温かな君の笑顔にありがとう」2月20日に閉会式を迎えた冬季オリンピックで史上初の銀メダルを獲得したカーリングの藤沢五月さんは、右手に「感謝」という言葉を書いていました。そして、藤沢さんは前回の平昌オリンピックの際にも「まわりの人に感謝です。まわりの人のためにも頑張れました」と言われました。皆さんが選んだ「ありがとう」の歌詞、そしてオリンピックの時の藤沢さんの話、この二つから改めて皆さんの入学式の時にした話を思い出しました。11年前の東日本大震災の際に私が被災地支援に行った話をしたことを覚えていますか。そこで出会った若者は、愛した人を津波で流されました。今できることをしなかったことをすごく後悔して、私にこう伝えました。「今できることから逃げないで、今できることにしっかり取り組んでほしい」と。また、高槻から被災地支援に来られていた方は、「自分のためだけならこんなに頑張れない。誰かのためだから頑張れる」と言われました。皆さんには今出来ることにしっかりと取り組んで欲しいこと、自分のためだけではなく誰かのために頑張って欲しいこと。この二つをお願いしてきた三年間でした。卒業に当たって、改めて皆さんにお願いします。卒業生の皆さん、どうか、周りの人と支え合い、感謝の気持ちを忘れずにこれからも成長していってください。そして、どうか、今という時間を大切にしてください。誰かの役に立ったり、誰かを支えることで、あなた自身も元気になって、今まで以上に成長してください。まだまだ、新型コロナウイルス対応は続きます。新しい進路でも様々な制約があるかもしれません。それでも、今出来ることに一生懸命に取り組み、誰かを支え、誰かに支えられながら生きて行ってほしいと思います。10年後、20年後、皆さんが幸せになっていることを願って、卒業生の皆さんへのはなむけの言葉とします。』