平成28年度入学式が挙行されました!

 4月6日(水)午後2時より本校体育館で平成28年度入学式が挙行されました。4月に赴任した私にとっては、新入生との初対面の日です。吹奏楽部の演奏とともに9クラス360名が入場します。壇上から新入生の顔を見ていると、どの生徒の顔も活き活きしており、布施高校に入学した喜びが前面に出ていました。

 今回の入学式、一番印象に残ったのは、自治会の執行委員のあいさつです。自治会の生徒が入学式で新入生あいさつすることに、「これが布施高校の伝統なんだ」と感心していました。4人の役員生徒が颯爽と新入生の前に登場し、会長が原稿を読むのではなく、はっきりとした声で新入生に対して素晴らしい挨拶をしたことに、心の中で「拍手喝采」を送りました。彼らの姿をみた新入生は、布施高校がどのような学校か、よく理解できたのではないでしょうか。

これから、このブログを通じて布施高校の様子や校長としての考えなどを随時述べていきたいと思います。よろしくお願いします。

以下、入学式で述べた式辞を掲載します。

 

 春うららかな今日この日に、多くのご来賓と保護者の皆様のご臨席のもと、平成二十八年度布施高等学校全日制課程入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びであり、心から感謝申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可いたしました、三百六十名の新入生のみなさん、入学おめでとう。みなさんの入学を心から歓迎いたします。みなさんは高校入試という人生最初の試練を見事に克服し、晴れて今日この日を迎えたわけであります。この喜びは、みなさんの堅実な努力の賜であることは、言うまでもありません。これからの長い人生において、今日は、心に残る1ページになると思います。

 

 さて、今回から入試制度が大きく改編されました。その一つとして、各高校はアドミッション・ポリシーを掲げ、受験生は自己申告書を書きます。テーマは「中学校等の生活(あるいはこれまでの人生)でどんな経験をし、何を学びましたか。また、それを高等学校でどのようにいかしたいと思いますか。」でした。私は、あなたたちが書いた自己申告書を読みました。そこには、将来の夢に向けて布施高校への熱い思いが綴られています。

 

例えば、

 将来はIT企業に就職したい

 外国の映画を日本語にして伝えたい

 災害でのボランティア活動や世界の難民への募金を始めたい

 薬剤師になりたい

 プログラマーやCGデザイナーの仕事に就きたい。

 養護教諭になりたい

 設計士になりたい

 医療関係の仕事をしたい

助産師になって世界中の人の命の誕生を手伝いたい。

 

という内容です。あなたたち新入生には、布施高校での三年間で、その思いを現実に近づけられるように頑張ってほしいと思います。

 

この思いを受け、私からあなたたちに伝えたいことがあります。それは、

 

「己を鍛える」

 

ということです。自分自身を鍛え、成長させなければ、夢は叶いません。漫然と高校生活を送っていては成長しません。私には、布施高校であなたたちに鍛えてほしい三つの事があります。

 

 一つ目。「学習で鍛える」ということ

学校は学習の場であることは言うまでもありません。現在ほど技術革新の進歩と変化が激しい時代に必要なことは、基礎的教養・リベラルアーツです。高校の学習は、その基礎となるものです。基礎的教養に裏打ちされていない表面上の知識は、すぐに価値を失います。しっかりと学習し、己を鍛え、新たな価値を創造する能力を身につけてください。

 

 二つ目。「進路実現で鍛える」ということ。

 高校三年間は、将来の「飯の食い扶持」を考える時期です。それは、自分が将来どのようなフィールドで人生を歩んでいくかということです。あなたたちの多くは、大学進学を希望している事でしょう。大学は、大学に入学するだけでなく学部に入学します。その学部は、将来の人生のフィールドに直結していると言っても言い過ぎではありません。自分の将来を描き、その実現に向けて己を鍛える三年間にしてください。

 

 三つ目。「自主活動で鍛える」ということ。

 今、日本及び世界は流動化しています。このような社会で重要なのは「人間力」です。社会の中で生き抜いていく力が必要です。クラブ活動、文化祭、体育祭、修学旅行、生徒会活動など、様々な自主活動で「人間力」を鍛えてください。それが「社会を生き抜く力」につながります。

 

二〇年前に亡くなった司馬遼太郎氏は、戦後の日本について次のように語り、今後の日本の在り方を危惧されています。

 

「立憲国家は、人々、個々の強い精神が必要なのです。戦後日本はまだまだできていません」

と。

 

 布施高校であなたたちの能力を鍛え、個性を磨き、人格を豊かにし、強い個々人に成長してください。

 

さて、ご列席いただいています保護者の皆様、お子様のご入学、心からお祝い申し上げます。今日まで、いろいろなご苦労があったかと存じますが、これでひとまずご安心されたものと思います。私ども教職員は、本日入学したお子様への指導に、渾身の努力を惜しまないことをお誓い申し上げます。高等学校の3年間は、「親離れ」「子離れ」の時期であります。わが子を自立させる時期です。今までは暖かく抱きしめ、両手で包み込んだ子育てをされてきたと思います。これからは、親の「生き様」を子どもに見せる、「背中で育てること」「子離れ・親離れすること」が大事になります。司馬遼太郎氏の言われるような「強い個々人」を育てるために、どうか、保護者の皆様におかれましては、本校の教育方針をご理解いただいた上で、ご協力ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

最後に、本日入学した七二期生三六〇名が、互いに切磋琢磨し、互いに鍛え上げて、大きく成長する集団となる事を願って、私の式辞といたします。

平成二八年四月六日

大阪府立布施高等学校

校長 上野 佳哉