本日4月21日4限、3年生対象の分野別進路説明会が開催されました。大学文系、理系、看護、医療、栄養、公務員など、それぞれの希望進路に分かれての説明会です。如何だったですか?自分の進もうとしている分野がどんな人材を欲しているのか、どのようにしたらなれるのか、イメージが掴めましたか?どの分野も大事なことは「第一志望をあきらめない!」ことです。高校卒業後の進路は、それぞれ違いますが、簡単に実現する進路なんてほとんどありません。必死に努力して、最後まであきらめないことが肝心です。
さて、私は理系の大学説明会を聞いていました。全般的な説明を聞いて気になる点があるので、ここで紹介したいと思います。
1点目。
理系の学部を希望する場合は、文系以上に学部・学科の研究内容に注目する必要があります。大学名だけで選んではだめです。学部名だけで選んでもダメです。同じ名前がついている学部、学科、例えば、工学部電気学科などでも、大学によって教育・研究の内容が変わります。ですから、「工学部に行けば、農学部に行けば、大体同じようなことが学べるだろう・・・」と考えてはいけません。ということは、どういうことか?まず、自分が大学に行って何を学びたいか、何を研究したいかという確かなものを持たないといけないということです。私の知っている例では、「自分のやりたいことは、バイオ関係。そのなかでも最もやりたいことは、神戸大学農学部か香川大学農学部でないとできない」と全国の大学を調べて目標を定めた生徒がいました。当然、その生徒は、第一志望の農学部に合格しました。
だから、3年生の理系希望のみなさん、自分が何を学びたいのか、何を研究したいのか、このことをしっかり持って全国の国公私立大学の学部・学科を徹底的に調べてください。そして、「○○大学■■学部▽▽学科の●●教授の研究室で自分は学ぶんだ」という志を持ってください。理系の分野は、文系の分野に比べて研究が重視されます。ですから、しっかりと何をやりたいのかを持ってほしいと思います。
2点目。
理系は、文系より研究体制がどうなっているのかが重要です。そこであるデータを紹介しましょう。教授一人あたりの学生数です。関関同立レベルで教授一人につき、学生が30人強~40人弱です。高校と変わりません。国公立大学は、多いところで10人以下、少ないところでは、6人台です。徳島大学は6.2人です。国公立大学と私立大学では教育・研究体制が雲泥の差なのです。特に、理系の生徒は3回生・4回生になると研究に没頭することになります。その時に担当の教授からどれだけ指導を受けられるか、どれだけ実験が重ねられるか(実験設備が使えるか)が大きな要因です。ですから、理系生徒には、国公立大学をお勧めしたい。
説明会で話があったように、大阪の国公立大学は難関です。ですが、地方に行くと近畿の難関私立大学を通る力があれば、十分合格する大学はいくらでもあります。よく調べてください。そして、地方の理系学部には、ピカッと光る特色ある学部学科があって、とてもユニークな研究をしている大学がたくさんあります。青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村教授は徳島大学ですよね。
3点目。
理系の学部を希望する生徒は、大学院まで視野にいれて考えること。理系の学部に進学する生徒の少なくない数が大学院に進学します。学部の研究だけでは足りないからです。それぞれの学部の進路状況を調べてください。かなりの数が進学=大学院に行っています。そして、地方の国公立の学部で研究した生徒が、近畿圏や関東圏の大学院に進学しているケースが結構あります。私が知っている人で、愛媛大学のバイオ関係の研究をしていて、東大大学院で研究している人がいます。
4点目。
地方の国公立は、就職指導がとても丁寧です。この取り組みで有名なのは福井大学です。福井大学は、就職指導が懇切丁寧で実績をあげました。そして、「地方に行ったら、地方で就職?」と思ってしまうかもしれませんが、福井大学にしろ、鳥取大学にしろ、徳島大学にしろ、関西圏の就職のために特別にツアーを組むほど、そして近畿圏の会社を呼んでその大学の学生のためだけの説明会を行うほど熱心です。
以上、今日の説明会の補足でした。