演劇部、新入生歓迎公演

 本日4月15日放課後、視聴覚教室で演劇部の新入生歓迎公演の二日目が催されました。前日に校長室まで部員が「明日、行います!もしお時間よければ・・・」と誘ってくれたので、見に行きました。

 公演は、ショートストーリーの三本立て。どれも今の若者たちの日常風景を切り取った秀逸の作品です。

 最初の作品は、引っ込み思案な学生が、バイト先で知り合った女の人に告白しようかどうか迷っている話。相談したバイトの相手は、自称「天才ナンパ師」ですが、実は彼も過去には同じように引っ込み思案で彼女がいなかった。だけど、一念発起して「自分を変えよう」と思ったという話です。どこかで、自分を変えようと思わない限り、自分は変わりませんよね。この年になると高校時代の同級生なんかとSNSで会話します。そうすると、「あいつが、こんな人生歩んでいるんだ・・・」と思わされることがあります。大人しく見えていても、それは外面だけ。内面では化学変化が常に起こっているのが10代ですね。もしかしたら、僕が校長なんてしているのを、「なんであいつが・・・信じられない!」と同級生に思われているかもしれません。

 二本目は、親孝行の話。女子高校生の二人の親への思いがよくわかる話でした。「親孝行しようと考えることが、もうすでに親孝行している」というセリフが印象的です。そういう気持ちが大切ですよね。伏線として、子どもの貧困という話がベースにありました。これはもう社会問題です。一億総活躍社会をめざすうえで避けては通れない問題ですね。さりげなく、そして重要な問題として、社会問題を組み込んだいい作品だったと思います。

 三作目は、「日常の大切さを改めて認識しようね」という作品です。明日世界が終ったら・・・という一言から、いろんな人に支えられて今を生きているんだなぁ・・・と、改めて日常に起こる様々な出来事を見つめなおし、たとえそれが自分にとっても嫌なこと(劇中では宿題の居残り)でも、それは自分のことを考えてやってくれている、そのことを再認識しようという作品です。うまく描けていたと思います。

 すべて自分たちの手作り、それがいいですね。

 久しぶりに高校生の演劇部の劇を見させてもらって良かったです。誘ってくれてありがとう!