5月21日(土)、司馬遼太郎記念館で講演会が開催されました。講師は、漫画家の里中満智子氏、テーマは「『竜馬がゆく』が変えた日本人の価値観」です。当日は、14時からPTAの委員会総会があり、14時からの講演会には遅れて参加しました。講演では、里中氏の漫画に対する思いを聞くことができました。「司馬氏も歴史小説家、私も歴史を題材にいろいろと作品を書いてきました。そのときに、一番気を付けていることは、事実は事実としてしっかりと踏まえること。だけど、その当時の人が何を感じ、何を考え、どう行動したかは私のフィクションです。それが楽しいですね」ということをおっしゃっていました。会場は、満杯。講演後の質問も盛況でした。
布施高校の近所にこんな素晴らしい施設があることが、本当にうれしいですね。今、朝日文庫の「司馬遼太郎と『坂の上の雲』」を読んでいます。正岡子規、秋山好古、真之兄弟の話です。司馬さんの作家活動の原点は、自分の戦争体験にあります。「なんでこんなバカな戦争をする国になったのだ・・・」という思いです。その一番の答えが「坂の上の雲」にあると思います。ぜひ読んでほしい一冊ですが、高校生には少し難しいと思います。日本史と世界史をしっかり勉強してから読んでください。だけど、高校2年生の時に、出版された単行本を一生懸命休み時間に読んでいる女の子がいたことを覚えています。どんなことを考えていたのかな・・・と。一度聞いてみたいですね。
高校生にまず最初に読んでほしいのは、今回の講演のテーマにもなっている「竜馬がゆく」です。竜馬が江戸に剣術修行に出かけて、黒船に出会い、自分の生き方に悩み始めます。その時期は、今で言えば、大学生になる頃です。私の高校の同級生も高校3年生から大学1年生にかけてこの本を読んでいました。そして、悩んだのです。「自分はどんな生き方をしたらいいんだ!」って。友達の一人は、「アフリカに行く。行って貧国にあえぐ人を助ける」と言っていました。「実業家になる」といって松下政経塾を受験していた奴もいました。一番の親友は、「映画監督になる」と言ってしばらく大学を休んでいました。それぞれの人生、その後どうなったのか、いまになってとても興味深いです。
さて、これからの世の中、激動の時代を迎えることになるでしょう、いや、すでに迎えていると言っていいですね。日本の未来を担う、そして世界に飛び出していく若者を育てていくことは急務です。布施高校はどうあるべきか?PTAの新旧懇親会の帰り道に一人心の中で自問自答していました。

