オバマ大統領広島訪問

 皆さんもご存知のように、サミットに参加したアメリカ オバマ大統領が広島を訪問しました。今回の訪問に際し、マスコミは「大統領の謝罪があるか?」ということに注目しました。結果、大統領は謝罪はしませんでした。しかし、私たち日本人が感じだのは、オバマ大統領の本当に真摯な姿勢ではなかったでしょうか。彼は、言葉で表現する以上に謝罪の意思を示したと思います。被ばくされた方との面談で、握手した手を中々離さなかった。離そうとした被爆者の方の手を逆に強く握り返してきたと言います。そして、被ばくされた方を抱きしめました。彼のそういう行動こそが、原爆を投下した国の代表者としての悔恨と謝罪の表現ではなかったと思います。彼の真摯な姿勢に強く心を打たれました。世界中が注目するのも当然だと思います。彼は、アメリカの知性であり良心です。

 さて、私たち日本人を振り返ってみましょう。毎年、8月6日、9日には原爆や戦争による悲惨な実態が明らかになり、平和への思いを強くします。私たちの身近な人たちが、広島・長崎で多くの命を落としたからです。その多くは、非戦闘員である一般市民です。これだけ多くの一般市民が一瞬にして命を落とした行為は、戦争犯罪に匹敵すると言っても過言でないと思います。私たち日本人の中に、原爆投下への怒りと「二度と過ちを犯さない」平和への思いが強いのも当然です。一方、12月8日は私たち日本人の中にどのように位置づいているでしょうか?その日は「非戦の日」として知られています。日本が太平洋戦争に踏み切った日です。8月6日や9日、そして日本が敗戦を認めた15日と同様の重みをもって扱われているでしょうか?恥ずかしながら、私の心の中には12月8日の冬の日と、夏の様々な日の重みは違います。この冬の日は、夏の日に比して私の中では、それほど重くありません。しかし、アメリカにとって、真珠湾攻撃の日は忘れられない日なのです。このことに改めて己の不明を恥じます。日本が加害者として戦争を開始した日を、わたしたちは夏の日と同様に、戦争を始めたことへの反省と平和への誓いとして強い思いを確認する日にすべきだと思います。

オバマ大統領の広島訪問に際し、彼の真摯な姿勢に感銘を受け、改めて日本人として感じたことを記しました。布施高校のみなさん、あなたたちは何を感じましたか?