今日は日曜日です。研修はありません。午前中はエメラルド寺院と呼ばれるワット・プラケオ寺院を訪問。凄まじい人でした。教授のおかげでVIP待遇で寺院のスタッフの方に案内して頂きました。ただし、すべて英語です。タイ語の訛りがほとんどない聞き取りやすい英語で話してくれました。それにしても、人、人、人です。
午後は、アユタヤまで同行してくれた日本語を学んでいる学生、ニックネーム、ゴルフ君とショッピングモールに出かけ、食事とショッピングに付き合ってもらいました。彼は、つい最近京都と大阪に来ていたのです。京都教育大学と大阪教育大学を日本語専攻の学生たちと一緒に訪れていました。約二週間、祇園祭の頃に訪れていたのです。その時の写真を見せてもらいながら、私たちも知らない難波の店の話で盛り上がりました。彼は、将来日本語の翻訳の仕事に就きたいと言っていました。夢が叶うといいですね。彼はまた日本にくるでしょうから、布施高校にも来てもらいましょう。
さて、研修を終えての雑感です。以下は、私がこの一週間で感じたことですので、あくまでも個人的な感想と考えてください。正確なタイの状況を伝えているわけではない事をお断りしておきます。
雑感❶
タイのバンコクを車で走っていると、高層ビルが建ち並び、シーサイドマンションがあるかと思えば、高速道路のすぐそばにはバラックの家屋が並んでいます。屋根はトタン屋根、ところどころ錆びて穴が開いている。その屋根にテレビを見るためのパラボラアンテナだけが、妙に現代を象徴するように乱立しているのです。電線は、何十本と束になって街中を巡っています。こういう風景を見ると、「格差」という事をいやが上にも感じてしまいます。
経済的発展は凄まじい。その波に乗れた者と乗り損ねた者。そういう現実をまざまざと見せつけられる街です。
雑感❷
大使館での話、国際交流基金の話、小学校での中国語の授業、アユタヤのホテルでテレビをつけた時の中国語の番組の多さ、劇場の解説で示される字幕の一番が中国語であること(ちなみに二番はハングル、三番が日本語、英語はアナウンスされました)、街を歩く中国人の観光客の多さ、街のいたるところに中国、中国、中国です。ASEANの国にとって中国の存在は無視できず、どのような距離感を保って付き合うかは、国の死活問題ではないかと思います。
雑感❸
そのようなタイが、グローバル社会で生き残っていくには、英語教育に力を入れるしかない。それが国レベルでも、個人レベルでも当たり前なのだと実感されていると思います。出会った先生で英語を話せる先生も少なからずいました。小学校から英語教育はガンガンやられています。英語は話せてこそ英語、使えてこそ英語なのだということが、当たり前なのです。やっと、日本の英語教育は舵を切りましたが、少なくともタイの英語教育と比べると、取り組む姿勢が違う。タイには危機感があると感じました。日本は、まだまだ甘いのではないかと思います。文科省は、英語教育のcan do listを作らせています。全国的に見ると大阪はとことん遅れています。本気にならないと本当にダメですね。
高校生のみなさん、英語はやはり必須です。英語が使えないと本当に世界のすみっこに追いやられます。
雑感❹
タイの教育事情です。研修でも学びましたが、タイの教育行政は中央集権的です。現場の裁量は日本に比べるとまだまだ少ないといえると思います。それは、現在のタイの民度がこの状態であるからというのが私の思うところです。タイの民度が上がり、教育に対する要望・要求が上がっていけば、もっと地方分権が進むでしょう。なぜなら、格差の連鎖を絶つために大きな役割を果たすのが教育なのですから。
雑感⑤
最初に訪問した小学校は、大学の付属小学校でした。そしてタイの日本人学校を訪問をしました。更にタイの田舎の学校に電撃訪問です。そしてやっとわかりました。日本人学校を訪問した時の違和感が。良い表現をすると、日本人学校の子供達は、おとなしい、躾が行き届いている、真面目だといえます。しかし、タイの子供達と比べると元気が感じられないのです。もう少しいうと、タイの子供達は学ぶことに喜びを感じている、しかし日本人の子供達はどうだろうと思ってしまうのです。目の輝きが違うように感じました。これが私の偏見であることを願います。
雑感⑥
タイの教師たちと交流をして思ったことは、若い教師たちがとても熱心だと感じました。実習は一年間、大学は五年です。専門性がかなり重視されていると思いました。彼らは若い時から大学院に通って研鑽を積んでいます。改めて、もう一度教師を目指した時、初めて担任を持った時の気持ちを思い出させてくれる彼らでした。
面面と思うまま書いてきましたが、私にとってのタイ研修はとても有意義でありました。明日日本に帰国します。今日、タイでは国民投票が行われました。街は平穏ですが、投票結果が出た時に何がか起こるのではないかというのが、街の噂です。
火曜日には学校に向かいます。布施高校の生徒の皆さん、保護者の皆さん、今回のタイの研修について、できれば役に立ってほしいと思い、スマホから何回も操作ミスや書き直しを行い、たびたび切断されるWi-Fi環境にもめげず、通常の三倍近い時間をかけてブログを更新してきました。タイマッサージに行きたいな~と思いながら、1日もいけずです。
何かコメントを私のメール宛てに送っていただくとありがたいです。
それでは、コッブン・マー・カップ