2月12日の夜9時からNHKスペシャルで「見えない貧困‐~未来を奪われる子どもたち~」が放映されました。私も教育に関わるものとして「これは見ないといけない」と思い、最後まで見ました。正直心が痛みました。多くの教師たちは生徒の家庭訪問をします。家庭訪問をすることで、生徒達がどのようなところで生活をしているのかが、見えてきます。そして、それを生徒への支援に役立てます。だから、教師は、出来る限りのことをしてあげようと思います。だけど、教師の力では、学校の力ではどうしようもない壁にぶつかります。悔しい思いをします。それが、お金の問題です。どうしようもないのです。
番組の中で、大阪の高校の奨学金担当の先生が、入学資金の調達のために生徒に「国の教育ローン」を勧める場面がありました。教師も進んで教育ローンを勧めているわけではない。生徒の希望を叶えて上げるために、教師が今出来ることは、「教育ローン」を勧める事しかなかったのです。その悔しさ、痛いほどわかります。
個人の努力や学校の努力だけでは、この「子どもの貧困」は解決しません。限界が見えているのです。国・地方の行政が、解決に向けて動き出さなければ解決しない、そんなメッセージを投げかけた番組だったと思います。
最後に、大阪の高校生の言葉が頭にこびり付きました。英語の教師をめざして大学受験真っ最中の彼女の言葉。
「合格は頑張ればできるけど、行くのは自分が頑張っても難しいですよね」