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脳が汗をかきましたか?-知識構成型ジグソー法の研修会

 本日7月5日埼玉県教育委員会、高校教育指導課の学びの改革担当の指導主事、岡田氏と前田氏をお招きし、埼玉県が平成22年から取り組んでいる「協調学習―知識構成型ジグソー法」の研修会を実施しました。

 最初の30分間は、なぜ協調学習のような学びが必要なのか、世界の教育の流れからの説明があり、この学び方が世界では主流になっているという話です。

 次の約50分間、実際に先生方が生徒役になって日本史の教材を使ってジグソー法を体験してもらいました。ジグソー法は、①最初に自分で考える②エキスパートになる③ジグソー活動④クロストーク⑤もう一度自分で考えるという5つの部分から構成されています。布施高校でもすでに実践されている先生から、今回の研修で初めて知ったという先生までおられますが、先生方、いかがでしたか?実際に設定された50分間、脳が汗をかくようなアクティブな時間を経験されましたか?このジグソー法は、教室の誰一人として遊ばさず、逃がさず、怠けさせないように構成された授業なのです。だから、生徒達は、必死になって頭を回転させます。少なくとも一斉授業のように、「聞いているふり」「寝てしまう」「ノートを書いているだけの」生徒はいないのです。

 先生方、一度今実践されている自分の授業と比べてください。何人の生徒が、50分間アクティブに頭を回転させているか?それで判別できなければ、何人の生徒が寝ずに授業を聞いているか?一度検証されるのが良いと思います。

 最後に、「学力って何?」と聞かれたら、先生方答えられますか?すでに法律で規定されているのですよ。学校教育法第30条です。

「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない。」

 これには、3つの規定があるのです。すなわち、①基礎的な知識及び技能の習得②思考力・判断力・表現力③主体的に学習に取り組む態度です。今までの一斉型の授業は、①が中心なのです。これを日本では明治以降、ずっとやってきました。それが正しい時期もありました。だが、日本がこの授業スタイルにこだわっている間に、世界はどんどん進んでいきました。いまでは、未だにこのスタイルで授業を行っている先進国は、日本のみといっても過言ではありません。もう、いい加減に新しいスタイルに挑戦しませんか?気が付いたら、大阪だけが、昔のままの授業スタイルということになるかもしれませんね。

 小学校や中学校では、どんどんアクティブ・ラーニング型の授業が実践されています。そのことを知らないのは高校の教師のみということかもしれません。一歩踏み出せば、そこには新しい世界が待っています。もしかしたら、生徒達は、「先生、早く気が付いて下さいよ、私たちはもっと新しい学びを体験したいのです。だって、中学校までにすでにやってきているのに、高校に入ったら講義型の授業ばっかりで退屈で仕方ない。」と思っているかもしれませんね。