本日、8月21日、2学期が始まりました。朝、校門で立って生徒たちを迎えていると、いつもの顔に出会え、自然と顔がゆるんできました。生徒達と会えることは、本当にうれしいですね。
さて、暑い体育館で始業式です。私は、次の2点を話しました。
1点目―1学期の終業式の時に、自治会から「食堂のラーニングコモンズ化」という話があったと思います。「もっと放課後の食堂を使いやすいようにできたらいいのにな・・・」と前々から考えていましたので、布施高校の教育基金運営委員会にご相談しました。教育基金とは、全日・定時制の同窓会、PTA、PTAOBによる布施高校をできるだけよくしていこと、周年行事を成功させることを中心に布施高校にご尽力いただいている組織です。そうしましたら、快くご了解いただき、食堂の改修工事の資金を出していただくことになりました。教育基金の皆様、ご協力ありがとうございます。もう少ししたら、食堂のマイナーチェンジが始まります。
2点目―この夏に図書委員に学級文庫の本を買ってもらいました。一クラス3000円。これは、布施高校の後援会から援助をしてもらいました。後援会の方々は、PTAのOBの方が中心に運営されていますが、これも快く支援をして頂きました。ありがとうございます。「本を読もう」とこの春からずっと私は呼びかけていることに、大賛成していただきました。
こんなエピソードを紹介しました。私は現在兵庫教育大学の大学院で勉強している関係上、大学の研究者と話をする機会があります。夏は学生もいませんので、研究者は様々な学会に出席したりすることが多いようです。海外への出張もあります。私がいろんな意味でかなり刺激を受けている研修者に、東北大学の青木栄一准教授がおられます。青木先生と最近の高校生や大学生が「本を読まない事」について話をしていると、青木先生が、イギリスのオックスフォード大学で教鞭を取られている苅谷先生のエピソードを紹介してくれました。「イギリスでは、『何を研究しているのですか?』という問いを『What do yo read?』と向こうの研究者は聞いてくる」ということです。「あなたは、何の本を読んでいるんだ?」という事ですね。これが、すなわち「何を研究しているのだ?」という質問だというのです。それほど、イギリス(おそらく海外)では、本を読むという事を大事にしているという事だと思います(始業式では、アメリカの話として紹介しましたが、イギリスの間違いでした)。こんなこと紹介しました。とにかく、本を読み始めましょう。本は、生活を豊かにします。人生を豊かにします。いつも見ている風景が変わります。
こんな話をしたあとに、生徒指導部長の先生が、素晴らしい話をしてくれました。「いろんな人がいるから、いいんだ。面白んだ」という事です。何のことかというと「創造祭準備の中で、クラスで盛り上がってどんどん進んでいるときがあるよね。その時、少し水を差すような発言や行動をする人がいるけど、そういう人の考えや意見はとても大切で貴重なんだ。無視したり、つまはじきにせずに、ちょっと立ち止まって一緒に考える、そんな集団になって欲しいと思う」と話されました。いい話ですね。イケイケドンドンのときに、水を差すような意見を言われると、ついつい「なんでやねん!」と思ってしまいがちですが、実はそんな意見の中に大変貴重な意見、みんなが見落としている意見があったりするものです。とてもためになる話だったので、心に留めておいてください。
最後に、ニュージーランド語学研修の報告がありました。全員で英語での素晴らしい報告でした。たいへん良かったですよ。ただ、私が係の先生に前々からお願いしていたのは、2点。一つは英語でスピーチ(これはクリア)、もう一つは、原稿を見ずにスピーチするという事です。原稿を見てしまいますと、どうしても棒読み的に聞こえてしまいます。その分、インパクトが弱いのです。気持ちが伝わりにくくなります。国会の答弁で、原稿を読んでいる人をよく見ますが、「何が言いたいの?」って思いますよね。だから、失敗してもいいし、躓いてもいいのです。原稿を見ないで話す訓練をしましょう。そして相手に気持ち、言いたいことを伝えるプレゼンをしましょう。海外の高校生とプレゼンをすると日本の高校生の最大の弱点はこれだと思い知らされます。「失敗すると恥ずかしい」「うまくやらないとだめ」と思ってしまうのですね。日本人の良い意味でも悪い意味でも特質です。高校生なんだから、若さで大胆に訴えてください。これは、語学研修の発表だけではありません。すべてに通じることです。大胆にいきましょう!