8月21日布施高校定時制で、得能絵理子氏を講師としてお招きして、アクティブ・ラーニング(以下ALと表記します)研修が実施されました。私も出席させて頂き、定時制の先生方と一緒に学ばせて頂きました。
得能氏は、株式会社アクティブラーニング シニアレクチャーという肩書をお持ちの方です。プロフィールには、「早稲田大学卒業。キャリア育成、企業改革、地方自治体改革等のプロジェクト等に従事。経済産業省主催「一流の基礎力インタビュープロジェクト」では、元IBM最高顧問・北城氏、ミュージシャン・坂本龍一氏などにインタビューを敢行。ウエブコンテンツとして発表、高い評価を得る。日経新聞社主催セミナーや、日経BP社ビズカレッジPREMIUMで講師を務めるなど、企業、大学に対しての研修・コンサルティングを担当。数百名を超える参加者も能動的に巻き込むワークショップは定評有り。」と記載されています。今まで私は、教育学者のAL研修を何回か受けてきました。しかし、このような経歴の方の研修を受けるのは、初めてでしたので「ワクワク感」を持ちながら研修に臨みました。
さて、研修を受けての感想。第一に思ったことは、「さすが!」「うまい!」です。やはり、企業・大学などを相手に研修やコンサルティングをされているので、研修の構成が秀逸です。退屈なんていう言葉とは、全く無関係、素晴らしい研修でした。そして、ALの本質を脳科学の立場からわかりやすく伝えてくれました。ポイントは、「開脳」。研修を受けた先生は、わかりますよね。この話を知りたい人は、是非得能氏の研修を受けられたら良いと思います。研修もALを実践しての研修ですので、先生方もその内容が、かなり頭に残ったのではないでしょうか?言語化することによって、自分の頭は整理されます。それを実感できる研修でした!
さて、一緒に研修を受けられた定時制の先生に、宿題です。
宿題1:今、文科省を中心にALの導入・推進が盛んに提唱されています。何故ですか?それをポストモダニズムの観点から、述べてください。
宿題2:実際に、ALまたはAL型授業を推進すると、必ずと言っていいほど、フリーライダーが出てきます。フリーライダーがわからなかったら調べてくださいね。フリーライダーを生み出さないために、どのような事が大切ですか?
宿題3:ALを実践して行く過程で、もっともよく実践される形式がグループワークです。このグループワークを実践する中で、「学習でリーダーシップを発揮してくれる子がいないので、グループワークが進まない」という声が聞こえてきます。当日の質問にも、「勉強が不得意な生徒達にALは実践できますか?」という質問がありましたよね。さて、グループワークを行うときには、各グループに「勉強でリーダーシップを発揮する生徒」は必要ですか?だけど、そのようなケースは、常に起こるわけではありません。それでは、どうすればよいでしょうか?
なぜ、このような質問をするかというと、ALを実践しようとすると、かなりの学習理論が求められるからです。今回の研修にあったような「INPUT & OUTPUT」はALの入り口です。ここからが、ALの難しさ、奥の深さ、幅の広さなのです。ですから、しっかりとした実践者自身の学びが求められます。教師は、同じ授業を別のクラスでできます。失敗しても「次」があります。でも生徒たちには「次」はありません。しっかりとした学びが必要です。私が最後に紹介した京都大学の溝上氏、松下氏、東大の中原氏は、ALに関してたくさんの本を出版されています。是非読んでください。産業能率大学の小林氏は、元高校の先生ですから、身近に感じられるかもしれません。読みやすさで言えば、中原氏・小林氏の本から読むのが良いと思いますよ。
次回も得能氏の研修が予定されているようですので、是非、参加させて頂きたいと思います。