本日は、布施高校の人権行事に来ていただきありがとうございます。布施高校にとっては、今日のように文化施設を借りて学習活動をするのは久しぶりのことで、生徒にも先生方にも良い日ではなかったかと思います。
悠以さんの生い立ちの話、とても感銘しました。特に高校時代の話は、同じ高校時代という時間を過ごしている生徒たちにとっては、とても身近な話題だったと思いますし、悠以さんのように思い悩むクラスメイトがいたら、その子がどのように思っているか、どのように感じているか、とても心に届く言葉で語っていただきました。生徒たちの心の中にも悠以さんの言葉が充分に残ったと思います。
私にとって、「そうなんだ...」と改めて考えさせられたのは、悠以さんが仕事を始めたときの話でした。女性として採用してくれたその会社は、悠以さんにとって本当に良かったと思います。でも、同僚との話。女性として仕事をする悠以さんに、女性として接する同僚。個人的な関係が進めば進むほど、過去の話も出てくる。その時、18歳まで悠介として男として生きてきた悠以さんにとって、その思い悩んで認めたくなかった人生までも嘘で固めなければならなかったというのは、私にとってはかなり衝撃的でした。
そんな悠以さんが、シンガーソングライターとして今を生きておられる。そして、嫌いだった悠介の声も受け入れて、コンサートをされている。それは、認めたくなかった、嫌いで仕方なかった悠介としての18年間も「自分の人生の一部なんだ」と認め、自分らしさの中に取り入れられたからだと思いました。「自分らしさ」とは何かを思い悩まれた末の結果だと思います。
そんな悠以さんのコンサート、素晴らしかったです。その歌声に魅了されました。こんな言い方をすると語弊があるかもしれませんが、悠以さんの歌声も悠介さんの歌声もとても魅力的です。悠以さんが歌う「365日の紙飛行機」の歌詞。
ずっと見てる夢は
私がもう一人いて
やりたいこと好きなように
自由にできる夢
この歌詞を悠以さんが歌うと、「はッ」とさせられました。今まで思っていた歌とは、全然違うように感じました。
悠以さん、本日は本当にありがとうございました。私たちの前の悠以さんは、自分らしさを受け入れ、力強く前を向いているとても魅力的な女性でした。今後のご活躍を期待いたします。