朝日新聞「時事ワークシート」を試験実施します!

 保護者の皆様、日頃は本校の教育振興にご協力いただき、誠にありがとうございます。今日は2学期中間テスト最終日です。生徒の様子を見ていると、教科書やノートを見ながら登校して来る生徒がかなりいます。「テストどう?」と声をかけると「先生、ヤバイ!」と返ってきます。必死にテスト範囲を頭にINPUTしているようです。

 さて、この知識をINPUTすること。とても大事です。まずは、勉強はここからスタートします。しかし、これからの勉強は、知識をINPUTし、テストでOUTPUTして、テストが終われば、どんどん知識が頭から去っていくということではダメです。なぜなら、今の生徒達が、社会に出る頃には、加速度的にAIが社会の中で活用されているからです。知識の量では、人間は完璧にAIに勝てません。そして、分析能力でもAIに勝てないのです。それでは、もう人間はAIに支配されるのか・・・と思われるかもしれませんが、それは全然違います。AIは、膨大なビッグデータを過去の様々な事象を活用して分析し答えを導き出します。ところが、AIは、自分が導き出した答えの意味を理解していないのです。これは、「東ロボ君」の実験で有名な新井先生が指摘していることなのです。だから、意味を理解するというところに、人間の価値があるのです。

 例えば、簡単な例を挙げましょう。日本にキリスト教を伝えたのは誰か?それは、イエズス会のフランシスコ・ザビエルです。これは、知識です。しかし、彼が日本を訪れ、キリスト教を伝えたことによって、日本にどんな影響をもたらしたか?なぜ、日本にキリスト教は一挙に広まったか?なぜ、イエズス会は、極東の日本にまで来ることになったのか?、その当時のヨーロッパの宗教事情はどうだったのか?なぜ秀吉や家康は、キリスト教を弾圧したのか?そして、その弾圧の結果、隠れキリシタンと言われる人たちは、どんな形で信仰心を守ったか?

というように、日本にキリスト教を伝えたのは、フランシスコ・ザビエルであるという知識から、その意味を理解し、まるで歴史家のように「人に語る事ができる力」が大事なのです。そこまで、理解して「長崎・天草『潜伏キリシタン」』世界遺産登録決定」というニュースの意味が理解できると思います。

 前置きが長くなりました。10月5日から毎週週末に朝日新聞の時事ワークシートを週末課題として生徒に配布します。その理由は、生徒に知識を仕入れ、その意味を理解し、自分の意見を持つということをしてほしいからです。生徒達に聞いても、ほとんど本も新聞も読んでいません。これでは、読解力も思考力もなかなかつきません。まずは、この週末課題に取り組むことを通じて、新聞記事を読んでほしいと思っています。

 試験実施は、12月の期末考査の前まで、毎週週末課題として配布します。その後、アンケートを実施し、布施高校の生徒が、この時事ワークシートに意義を感じ、真面目に取り組まなければならないという生徒が多数であれば、次年度は本格実施しようと考えています。もしかすると、記事の内容は生徒にとっては難解な部分があるかもしれません。そのときは、保護者の方も一緒に時事ワークシートに取り組んでいただき、多くの生徒がこのワークシートに積極的に取り組むようになってほしいと思います。

対象は、1・2年生です。3年生は進路実現に忙しい時期ですので、対象外としました。