No.35 修学旅行について

 今度の修学旅行が日根野高校での3度目の修学旅行となります。初年度はマレーシアへの旅行が計画されていたのですが、再三にわたる安全上の問題で急遽、旅程変更。生徒や保護者をはじめたくさんの方々にご迷惑をおかけして沖縄本島へとフライト・チェンジいたしました。次年度は6月の北海道。旭川・富良野・美瑛など道央を中心に、生徒たちと北の大地をたっぷりと経験してまいりました。ここでも生徒たちの健康に係る問題が発生、教員が緊急対応に走ることとなりました。こうして振り返りますと、300名近い集団全員が何事もなく予定通り3泊4日の旅程をこなすということは大変なことで、日根野高校に限らず、全国の修学旅行団は4日間、常に緊張事態に晒されているといっても差し支えないでしょう。

 そんな中、来月、日根野高校29期生修学旅行団は八重山諸島を中心とする沖縄へと向かいます。企画・準備に1年以上の時間を費やしてきた生徒と先生方。旅行会社のノウハウと経験の手助けもいただきつつ、様々な状況を想定しながら計画を練り上げてくれているわけですが、いざ現場へと飛んでみますと想定外の事象のオンパレード。言い訳の様ですが、それで普通のような気がしています。例えば天候。どんな準備をしていても台風一発ですべての旅程が吹き飛びかねません。何とかすり抜けるように現地入りしても、離島に渡ったきり動きが取れなくなることだってあるでしょうし、それが心配でハナからスケジュール変更を迫られるかもしれません。そんな時、4名ほどの旅行であれば何とでもなるでしょうが、300名の集団ではどうでしょうか。宿の確保などは言うまでもなく、緊急時のおにぎりやパンの調達やトイレの確保にも苦心惨憺することでしょう。そんな時、体調を崩す生徒も続出する可能性がありますし、そうなると病院への移動やら休憩所の確保などで現場は大混乱となります。

 敢えてネガティブなことばかり書きましたが、これが修学旅行という学校行事の一側面です。私たち教員集団は、生徒全員が無事に行って帰ってくることに全力を注ぎます。がそれはできて当たり前のことで、それだけでは修学旅行をする意味がありません。やはり、そこにはどんなことがあっても仲間を思いやり助け合う心や、地元の人たちと語らいつつ異なった文化・習慣・考え方を共有する時間が必要です。馬鹿々々しいと言われようと、仲間とのちょっとはじけた時間も必要です。そんなことが全部合わさって高校時代の修学旅行が成立し、それでこそ想定外の嵐の中に突っ込んでいくだけの意味と面白さが出てくるのだと思っています。

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