8月
なみはや高校では毎年、国際交流及び語学学習を目的とした海外研修旅行に行きます。
今年は16名の生徒が3名の付添教員とともに7月28日から7泊8日の日程で、フィリピンのセブ島で英語の研修をします。言葉を学ぶだけでなく、異国の文化をしっかり肌で感じ取ってほしいと思っています。
私は大学生の時に引っ越しのアルバイトをしていたことがあります。その会社の事務所の壁に一枚の張り紙があり、それにはこう書かれてありました。
「言わないことは、聞こえない」
実際に口に出して言わなければ、こちらの事情や気持ちは相手に伝わらないということです。
しかしながら、私たちは誰かと一緒にいるときに、「わざわざ言葉に出して言わなくても、それぐらいはわかってくれるやろ。」という思いがあります。
歴史的に見て日本は鎖国をしていた時代が長く、外国との交流が盛んではありませんでした。また地理的にも周りを海に囲まれた島国であり、他国の人が簡単に出入りするということはありません。その結果、他の国の人に比べると、日本人は生活習慣やものの考え方が似ている人が多いのではないかと思います。ですから、わざわざ口に出して言わなくてもわかり合えることが多くあります。
しかし、ヨーロッパをはじめとする他の国々ではいろいろな国の人の行き来があります。特にアメリカは様々な国の人たちが集まってできた国です。違う文化を持ち、ものの考え方が違う人々がともに生活をしていますから、わかってもらおうと思うと、きちんと説明をする必要があります。黙っていたのではいつまでたってもわかってもらえません。
英語を話すと言うことは、「言わないことは、聞こえない」文化の人と話をすることです。どれだけ自分の頭の中で考えていても、それを口にしないのでは、相手に伝わることはありません。言わなくてもわかっているだろう、と思って黙っていたのでは人に理解してもらうことはできません。言うべき事ははっきりと、相手に伝える必要があります。
フィリピンの研修旅行に参加する生徒たちに結団式で以上ことを伝えました。
一人ひとりがお互いの文化の違いを理解したうえで、積極的に英語を話してほしいと願っています。