今日は2限目に2年生の現代文の授業を見学に行きました。勉強していたのは夏目漱石の「こころ」で、「私」が「K」を精神的に追い詰めようとする場面でした。授業では先生のお話しが、テレビ番組の司会者くらいグイグイ入ってきます。声が大きくて明瞭で言葉遣いも丁寧ですし、本当にすごい話術力だなと感心しました。また、電話しているといきなり大声で怒り出す理不尽なおじさんに謝り倒したお話や、好意を寄せる女子からの恋愛相談のお話など、先生らしいエピソードも満載でした。私なんて恋愛相談どころか、高校時代は女子に声すら掛けられませんでしたのでうらやましかったですが。(笑)
ちなみにこの「こころ」ですが、今まで読んだ小説の中で一番好きな作品です。自分の高校時代に習ったのが最初で、教員時代には6,7回は授業で扱いました。そのたびに全文読みましたし、今でも長期休みなどには読んだりしますので、かれこれ20回近くは読んだと思います。
今日の授業では「慈雨のような都合のいい返事」の内容について考えていましたが、この答えは実は難しいですよね。仮に「私」がお嬢さんに好意を寄せてなかったとしても、親友に対して無責任なことは言い辛いだろうと思います。そもそも「K」はどんな言葉を期待したのですかね。どんな言葉なら気が楽になったのですかね。「K」が納得するような言葉があったのですかね。これはなかなか深い問題ですね。