JAXA特別研修1日目午後の部その2

午後の研修は「はやぶさ2とプラネタリーディフェンス」というテーマで、はやぶさ2のこれまで、拡張ミッション、プラネタリーディフェンスについて、実際に携わっておられる方からご説明いただきました。小惑星が火球となって結構地球に衝突しているそうですが、そうした災害から地球を守る研究に関するお話しでした。実際にロシアに落ちた隕石の動画を見せていただきましたが、まるで映画のような凄まじい破壊力でした。

二つめの研修は大気圏突入システムについてです。大気圏突入システムについては世界中で研究されているそうですが、「はやぶさ」は地球への帰還が前提の探査機ですので、JAXAでも当然研究開発に努めているそうです。で、JAXAが研究開発しているこのシステムは「宇宙シイタケ」と呼ばれているとか。世間では空気との摩擦熱で溶けると思われていますが、実は違って「空力加熱」という現象が原因なのだそうです。この「空力加熱」に耐えるのではなく避けれるように、わざと大きくて溶けるようにした技術が「展開シェル」、別名「宇宙シイタケ」だそうです。

本日の研修の最後は座談会です。参加してくださったのは今日の研修でお世話になったJAXAが誇る研究者、技術者の皆様です。月面探査機SLIMやはやぶさ2に関するお話し、そもそも論としての学問的なお話しなど、普通なかなか聞かせていただけないお話しをたくさん聞かせてくださいました。またこれから先の展望など、今の生徒たちにとって非常に夢のあるお話しもお聞かせくださいました。その中で私が一番印象的に感じたのは「こだわり」に関するお話しでした。「何が起こっているのか分からないことについて延々考えている」と仰っておられましたが、科学者になられる方はやはり人並みはずれた探求心をお持ちなのですね。

すべてのプログラムが終わってから追加で「系外惑星」に関するお話しを聞かせていただきました。簡単に言うと、太陽系以外の第二の地球を探すというお話しです。非常に困難な作業ですが、夢がいっぱい詰まっているプロジェクトです。学生に向けたメッセージもありましたが、生徒たちの誰かチャレンジしてくれませんかね。

藤本副所長はじめとするJAXAの皆様、本日は日本の宇宙科学の最先端に触れさせていただくという、たいへん貴重な経験をさせていただきました。生徒たちもとても大きな刺激を受けることができたと思います。改めて心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。