「校長はん、どこ行っとりましてん。何度電話してもおらんさかいに」
「東京へ行ってたんだよ」
「何や、東京の言葉になって」
「全特長ってのがあってさ、いろいろと勉強してきたんだよ」
「やめぇ、東京弁でしゃべるの」
「すんまへん、全国特別支援学校長研究大会と全国盲学校長会、全国盲学校PTA連合会の総会や研修会がおましてん」
「研修会でどんな勉強してきましてん」
「特別支援学校や盲学校に関する国の教育行政やデジタル化基盤のことや子どもの精神疾患についてなどですわ」
「なんか難しそうでんな。何か生かせそうなもんはありましたんか」
「すぐにちゅうのはないけどな。そもそも特別支援ちゅうても視覚障害領域と知的障害領域で状況が全く違うよってにな。でもな、センター的機能の充実や福祉と医療との連携などはワテが考えとるところの後押しになったらええのになと思てるわ。でもな、盲学校に関しては、視覚障がい教育の存続の危機にあるっちゅうのに、何かちょっと弱いなぁって感じがしましたな。」
「弱いって何がや」
「地方の盲学校は、生徒はおらへんようになってきとるし、理療科では先生がおらへん。これからどんどんその状況が悪くなるのに、国としてこうしますといったのがないって感じたなぁ」