今日は1年生の人権講演会がありました。
講師は、和田伸也さん。2012年のロンドン・パラリンピックの銅メダリスト。
国際大会で本校の先生がガイドランナーを務めていたご縁で、毎年、天高生のためにご講演にお越しいただいています。
(お持ちいただいたメダルを見せてもらいました!)
コロナ禍のなか、東京パラリンピックは延期されましたが、和田さんは、2020年9月の日本パラ陸上1500mで日本新・アジア新記録を達成、11月の関東パラ陸上5000mでも日本新・アジア新記録を達成されました。
今日の演題は、『「今」を生きる-夢の実現へ~中途失明の経験、パラ陸上競技を通じて~』です。
前半はこれまでの陸上競技の実績を、後半はご自身が高校・大学で視力を失ってからブラインドマラソンに出会い、現在の活躍に至るまでの経験で得たものをお話しいただきました。
ご講演から、人生で困難に出会ったとき、私たちが生きていくための力になるたくさんのヒントをいただきました。
講演後の質疑応答でも次々と質問の手が挙がり、時間いっぱいまで和田さんと生徒とのやり取りが続きます。あっという間の2時間でした。
講演会終了後、校長室で2年生の課題研究班の質問や、もっとお話しが聞きたいと校長室を訪れた1年生の質問に答えていただきました。そのいくつかを紹介しましょう。
Q ガイドランナーの方とはどこで出会うのですか。
A 自分から様々な練習場所に出かけていきます。一緒にトレーニングをする仲間がたくさんいるので、そのつながりの中から出会いが生まれます。独りでは、頑張り続けるのは難しい。仲間と一緒だから頑張れます。ガイドランナーとも出会えます。
Q 周囲の人の動きに対して、ごく自然に顔を向けておられますね。
A 声や音、そして空気の流れで、周囲の状況がわかります。ところが、このコロナ禍でマスクをしていると、その空気の流れが感じにくくなってしまうことが分かりました。頬で感じていたのだと思います。
Q 高校時代にやっておいたほうがいいことはありますか。
A 私自身を振り返れば、部活動(ラグビー)を最後までできなかったことが大きなことでした。視力が低下し、やめてしまった。だからこそ、高校生の皆さんには、部活動や様々な行事に全力で取り組んで、やり切ってほしいです。今、私が陸上競技に全力で取り組んでいるのは、自分が高校で部活動を最後までできなかったことが原動力になっているのだと思います。
長距離走大会は、授業でのタイム計測になってしまいましたが、和田さんが、競技場に吹く爽やかな一陣の風を天高に運んでくださいました。ありがとうございました。
令和3年1月28日 学校長