この畑田塾の主宰者は、国の登録有形文化財である畑田家住宅の当主であり、富田林高校の大先輩でもある畑田耕一さんである。
畑田家は羽曳野市の西部にある明治期の旧家の趣をよく残している庄屋屋敷である。主屋はつし2階を持つ田の字型平面に座敷がつき、土間の梁架構は古い伝統をよく伝えている。これらに2棟の蔵、長屋門、付属屋、納屋を配した屋敷構えで、平成11年登録有形文化財に登録されました。(写真とともに畑田家住宅活用保存会のHPより引用)


畑田耕一さんは阪大名誉教授で、「ポールJ.フローリー高分子研究賞」を受賞された著名な学者です。 高分子の物理化学の基礎を築いてその体系化に貢献し、1974年ノーベル化学賞を受賞したフローリー博士に因むこの賞は、国際高分子特性会議が2000年より授与を始めたもので、高分子の科学と技術の分野で卓越した業績をあげた研究者に与えられるものです。 畑田名誉教授は、長年にわたって、小学校、中学校、高等学校への出前授業を専門の高分子科学をはじめとして、科学と道徳、古民家での生活、戦中・戦後の生活などの主題で行なっており、畑田家を、広く市民や学生子供に開放して塾を開いています。
5月12日(日)に開かれた、第16回畑田塾のテーマは「宇宙で一番低い温度を作る」で、講師は、帝塚山学院学院長・元大阪市立大学学長の児玉 隆夫さんであった。
お話の要旨は「自然界には私たちが日常経験するものに比べて、はるかに高い温度や低い温度が存在します。」「温度には高い方には限度はありませんが、低いほうにははっきりとした限度があります。温度には底があるのです。人工的につくることができる温度で高い方では自然界にある温度にはかないませんが、低いほうでは自然界に存在する温度よりもはるかに低い温度をつくることが出来ます。」「まず、温度とはどういうものなのか、そして、温度と共に物の状態はどのように変わっていくのか、ということから考えてみることにします。」という事で、実験もまじえてあっという間の3時間でした。本校からは生物化学同好会(科学部)の生徒が、9名参加し、大先輩のお話に耳を傾け、実験に目を見張っていました。