野球部・サッカー部の公式戦を観戦して

 4月8日に野球部の公式戦、4月14日にサッカー部の公式戦を観戦してきました。

 野球部の試合は、ルーズベルトゲーム(アメリカ32代大統領のフランクリン・ルーズベルトが「野球で最も面白いのは、8対7」と言ったそうです)の様相を呈し、逆転に次ぐ逆転で、観戦しているこちらもハラハラしどうしでした。9回表の阿武野高校の攻撃を迎えた段階では2点差で負けており、この回に点が入らなければ負け...。私は負けを覚悟したのですが、応援する選手、試合に出ている選手、監督・顧問の先生方は全くそんなことを考えもせず、9回の攻撃に臨みます。そして、見事、9回表に3点を取って逆転。その裏の相手の攻撃を抑えて、二回戦に進出。二回戦も勝って、次は三回戦です。後日、顧問の先生に話を聞くと、「9回表の段階で私は全く心配していませんでした。ああいう展開でしたし、生徒の力を信じていました」とのこと。恐れ入りました。

 一方、サッカー部の公式戦1回戦は、両者なかなか点が取れない試合でした。押し気味に試合を進めるも前半は0-0。印象的だったのは、試合に出ていない生徒たちの熱心な応援です。声をからして試合に出ている仲間を必死になって応援し続けていました。後半に1点をもぎ取り、試合は1-0で勝利。顧問の先生は「彼らの力なら当然。各人が自分の役割をしっかり果たしてくれれば。むしろ褒めすぎて油断するのが怖いです」とのこと。2回戦は8-0の大勝で、次回の戦いに備えています。

 時間の都合等もあり、この2試合しか観戦出来ていませんが、共通して感じたのは二つ。

 一つ目は、試合に出れなかった生徒たちが試合に出ている生徒を必死に応援し、試合に出た生徒たちは応援してくれた仲間のために必死になって頑張っていたことです。入学式・始業式でも話をしましたが、人間が自分のために頑張ろうとする力はしれているもの。誰かのために頑張る。誰かを必死に支える。そういった時にこそ、今まで以上の力を発揮するのです。阿武野高校の生徒たちは、まさしくそれを体現してくれていました。

 もう一つは、生徒を信頼する教員のまなざしです。うろたえる事無く、生徒を信頼し、信頼した上で叱る時は叱る。(これは「怒る」のではありません。「怒る」のは感情的になっている証拠。生徒の状況を踏まえて、冷静に、しかし熱く「叱る」ことが適切な指導だと言えます。)自画自賛になって恐縮ですが、阿武野高校の教員はそれが実践出来ています。もちろん、経験年数の短い教員はまだまだ学ぶことも多く、全員がそうだとは申しませんが、少なくとも今回の二つの部活動の顧問は、生徒を信頼し、「叱る」べき時に叱っていました。

 他の部活動に参加している生徒の皆さんも、いろいろな場面で「誰かのために」頑張ってくれていると思います。また、「今しか出来ないことに精一杯取り組んで」くれていることでしょう。あっと言う間の高校3年間を有意義に過ごせるように、阿武野高校では生徒が活躍出来る場をたくさん用意しています。