1学期始業式を挙行しました!

 新型コロナウイルス対応で延びに延びていましたが、本日午前中、1学期の始業式を開催することが出来ました。まだまだ密を避ける生活様式に取り組まなければならないので、学年毎の始業式です。朝の9時からは3年生、同じ時間帯に2年生はホームルームでクラス開きをしたり、クラス委員を決めたりしました。そして、10時からは2年生の始業式。3年生は同じく教室に入り、クラス開きです。5月の登校日から分散形式ばかりでしたので、今日が初めて同じクラスでクラスのメンバー全員集合です。しっかりとクラス開きをしました。

 始業式では、生徒同士の間を1mほど開けて着席。マスク着用の上で、私の話をしっかり聞いてくれました。昨日までの雨が嘘のような好天で、しかも風があるので、体育館は心地よい風が吹き抜けて、非常に過ごしやすい環境での始業式となりました。以下は私が式辞で話した内容です。生徒の皆さんはしっかりとこちらを見て、熱心に話を聞いてくれていました。

『皆さん、進級おめでとうございます。この3か月間、本当に大変だったと思います。ある生徒は言いました。同居する祖母がいるので、自分が感染する訳には行かない。遊びにも行きたいし、部活もしたいし、友だちにも会いたいけど、じっと我慢して毎日を過ごしていました。また、別の生徒が言いました。自宅にずっと居たので、このままじゃ体がなまってどうしようもない。だけど、昼間に出歩くのは避けたい。朝の4時に起きて、5時から近所の西河原の公園でランニングしてました。皆、誰かのために我慢して、皆、今出来ることに一所懸命に取り組んでくれたようです。そんな阿武高生を、私は誇りに思います。

 この間の新型コロナウイルスのニュースで、ただ一つの県だけが感染者を出しませんでした。どこか判りますか。そうです。岩手県です。感染者ゼロなら、当たり前の日常生活を送っているのかなと思った私は、皆さんの入学式の時に話をした東日本大震災の時に支援に行った時に知り合った友人に連絡を取りました。そうです、東日本大震災の時に、大切な大切な彼女を津波にさらわれてしまった彼です。彼は今、盛岡の市内で小さな飲食店を経営しています。彼は言いました。「いやあ、これだけ感染者ゼロが続くと、自分がその一号になってはいけないとすごくプレッシャーがありました。店も4月半ばからずっと閉店してて、少ない従業員にも申し訳ないけど休んでもらって。やっと6月に入ってから、店は再開できましたけど、お客さんの数は全然です」そして、重ねて彼は言いました。「震災の時にもつくづく思ったし、先生にも伝えたけど、当たり前の日常生活を送ることに感謝ですよね。当たり前は当たり前じゃないんだと改めて思います。だからこそ、今出来ることに一所懸命に取り組まなきゃって思っています。同じようにしんどい思いをしている大阪の高校生にもまた伝えて貰えますか。今出来る事を頑張りましょう。私も、店の先行きは不透明だし大変な日々がまだしばらく続くけど、諦めないで頑張ります」

 そうは言っても、この3ヶ月の間に、目標を失いかけた人もいると思います。だらけた生活に負けてしまった人もいるかも知れません。でも、そんなあなたを支えてくれる仲間がきっといます。もう一度、新たな目標を設定して、今しなければならないこと、今出来ることにしっかり取り組んでください。あなた自身のためでもありますが、あなたを支えてくれる誰かのためでもあります。

 今、出来る事を頑張り、誰かの為に頑張って、今年の高校生活を過ごしてください』