アユタヤの大学でランチを食べたあと、アユタヤのESAに出向きました。タイの地方教育行政を統括する組織です。このように書くと日本の地方の教育委員会と思ってしまいますが、少し違います。タイの教育行政は中央集権的で、昨日研修を受けた教育省の出先機関の色彩が濃いのです。このことは、意見交流を行って改めてそう思いました。
最初の一時間は堀内教授とタイの人たちとのやり取りを拝聴させていただきました。大阪の泉大津市の教育長の富田氏が興味深い質問をしてくれました。
「日本では地方の素晴らしい教育実践が国に取り上げられて、全国に波及されるということがあるが、タイでも同じようなことがあるのか?」
答えは、ほとんどと言っていいくらいに無い!という返事で、ESAは、教育省の政策を地方に降ろすという役割をしているということです。
私は校長の権限について質問しました。校長の人事権はどこまであるのか?と。すると堀内教授がタイでは転勤というものが無いということです。ESAの人たちに聞くまでもなかったですね。ちなみにESAの人たちも転勤が無いということです。
ここからは、ESAの人たちの話を聞いて私が感じたことです。
タイの現状からすると、まだまだ中央集権的な教育行政が必要なのだろう。日本の明治維新後のように。私の感覚では、人事の異動が無ければ、組織は硬直化するし、校長として学校経営にリーダーシップも発揮しにくいと思ったのですが、タイでは教育省の政策を現場で実践する事を求められているので、日本ほど現場に近いところに決定権を与える必要を感じていないのだろうということです。
さて、午前中に訪れた小学校の話です。実はその小学校はIT教育のモデル校だったのです。だからIT機器が充実していたのですね!それならそうと校長先生が教えてくれたらいいのにと思いましたが、そのことをあえて言わないところに値打ちがあるのですね、校長先生!
と思いました。
余談です。ホテルはアユタヤの繁華街にあります。周りの建物を見て思ったのは、シンガポールのダウンタウンとまるで一緒ということ。アユタヤには日本企業が進出しているので、和食の店やカラオケ店がやたらあります。私たちもひさしぶりに日本食を食べました。

