69期生のみなさん、成人式おめでとうございます!

 布施高校を卒業した69期生のみなさん、成人式おめでとうございます。あなたたちとは、直接高校時代を共に過ごすことはできませんでしたが、あなたたちに関わった先生方から、あなたたちの素晴らしい高校生活3年間の話を聞かせてもらっています。今日は、各自治体の成人式に出席して、久しぶりに旧友に会うことができたのではないでしょうか。

 あなたたちの過ごした高校3年間は、布施高校が劇的に変化した時代でした。入学してから戸惑いもあったでしょうね。そんな高校生活を本当に柔軟な発想と若いエネルギーで乗り切っていったと思います。この経験を活かして、社会の荒波を乗り切ってください。期待しています。

 さて、成人式の今日、夜7時のNHKのニュースを見ていると、「え!」と思うような成人式に関するニュースが飛び込んできました。晴れ着が届かなかった話ではないですよ。東京の23区で新成人の8人に一人が外国人というニュースです。日本に留学したり技能実習生が急増しているということです。新宿区は、45.7%、豊島区で38.3%、中野区で27%の割合で、新成人に外国人がいるということです。国際交流に関する専門家の人は、取材に対して「外国人が地域や社会を担う非常に有力な存在になってきている」と分析していました。まさに、その通りだと思います。

 私は、日本の「人口減少ー少子高齢化問題」の解決には、移民政策の見直しが必要だと常々考えていました。欧州では、中東からの移民が政治問題化していますが、日本は移民の受け入れにもう少し積極的になってもよいのではないかと前から考えていました。めざすべき姿は「ダイバーシティ」です。今日のこの成人式に関するニュースをみていると、その姿はもうすぐそこまで来ているように思いました。この外国人労働者の問題に直面していると考え、私は昨年12月に静岡県浜松市を訪れました。大学院での生涯学習特論のフィールドワークです。いろいろと学ぶ点はたくさんありました。結論は、「日本人は、外国人労働者を安価な労働力という見方を改めて、共に日本社会を担う、地域の有為な人材として、地域コミュニティを担う人たち」という見方をすべきだろうということです。

 布施高校の皆さん、ダイバーシティは、もうすぐそこに来ています。いつまでも昭和の「高度経済成長の成功モデル」のような学校生活を送らず、またもうすぐ終わりを告げる「混迷で低成長、そして世界での地位の低下を招いた平成の世」を突き抜け、新たな時代を切り開く創造性ゆたかな人材として育ってください。期待しています。