10月1日月曜、台風24号が去った日本にうれしいニュースが飛び込んできた。京都大学本庶特別教授の医学生理学ノーベル賞の受賞だ。教授の研究内容は、門外漢の私には到底理解の及ばないところだ。ニュースや教授のインタビューを聞きながら感じたことを伝えたい。
1点目。「教科書を疑え」
教授のインタビューの中で出てきたことがこの言葉、「教科書を疑え」だ。教科書に書かれていることをすべて信じてしまえば、そこから科学は進歩しない。「なぜなのか」ということを突き詰めることが大事と教授は言う。この発想、とても重要。批判的思考力を端的に表現した言葉だと思います。今、君たちは教科書を一生懸命頭に入れようとしている。それはそれでとても大事なことだが、教科書に書かれていることを勉強しながら、「なぜ?」と思う思考がとても重要だ。それを教授は教えてくれている。
2点目。「何が知りたいかが原点」
教授は言う、「研究は、何が知りたいかが大事で、何ができるかではない」。これは、君たちの進路選択にも言えることだ。布施高校の生徒たちの多くは、大学進学する。大学に何をしに行くのか?何を研究し学びに行くのか?その原点を持つことが大事だ。そうでなければ、「何のために研究しているのかわからない」と教授は言う。まさに、何のために大学に行ったのかわからなくなる。原点をしっかり持とう。何を学びに、研究するために大学に行くのか?
3点目。多くの人の役に立ちたい。
教授の人生の転機には、常に「人の役に立ちたい」という志があった。中学時代の同級生のインタビューに、「本庶は、中学の時に弁護士になるか医者になるか悩んでいた」という。そのとき、「弁護士になるより、医者になる方が多くの人を助けられる」と若い本庶中学生は語ったというのだ。「頭のいい人は、違うな・・・。弁護士と医者が選択肢になるのか・・・」と思いつつ、その原点に「人の役に立ちたい」というものがしっかりとあることに感動を覚えた。
また、臨床現場の医者か基礎研究の研究者かという選択を考えたときにも、本庶教授は「基礎研究で成果を出した方が、たとえ私が死んでも多くの人に役立つことができる」と語った。教授の生き方の中心に「人の役に立つ」という芯がドーンと座っているのだと思った。
4点目。教授の研究室の研究者たち
教授の受賞を祝う研究室の若い研究者がテレビに映った。オー!と思ったのは、日本人の方が少ないのでは?と思ったからだ。それも、欧米だけではなく、世界中の国から研究者が集っている。これがまさに世界の現状なのだと、研究室の映像を見て思った。
以上、本庶教授のノーベル賞受賞のニュースをみて思ったことを綴った。できれば、教授の研究成果を解説できるようになりたいが、それは程遠いだろう・・・