今日は、天皇陛下のお誕生日です

 今日、12月23日は、天皇陛下のお誕生日です。朝からサンデーモーニングという番組を視ていると、「風を読む」というコーナーで、12月20日の天皇陛下の会見が映し出されました。天皇陛下は、時折声を詰まらせながら、国民へのメッセージをお読みになられていました。このメッセージを聞き、そして国民にメッセージを伝えておられる陛下のお姿を見たとき、思わず目頭が熱くなり、涙がこぼれてきました。自分でもびっくりしました。

 陛下のメッセージの中に、「私は即位以来,日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い,今日までを過ごしてきました。譲位の日を迎えるまで,引き続きその在り方を求めながら,日々の務めを行っていきたいと思います。」というお言葉がありました。陛下が即位されてからの30年、まさに「象徴天皇とは如何にあるべきか」ということを求め続けられたことに心より敬意を表したいと思います。

 陛下は常に先の第二次世界大戦で犠牲になった人々・地域を訪問され、慰霊の旅をされてきました。そして、災害が発生した地域には必ず訪問され、被害にあった国民に寄り添われました。ずっとそのようなお姿を拝見させていただき、本当に国民に寄り添う陛下だと思っていました。そんな思いの中での会見の映像だったので、思わず涙が流れたのかもしれません。

 映像はダイジェスト版だったので、宮内庁のwebpageにアクセスし、メッセージの全文を読ませていただきました。正直、びっくりしました。陛下は、この秋の国会で議論になった出入国管理法に関する移民政策についても心を砕いておられたのです。以下、その部分の引用です。

「今年,我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間,多くの日本人は,赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね,その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら,各国を訪れた際には,できる限り会う機会を持ってきました。そして近年,多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も,将来日本で職業に就くことを目指してその準備に励んでいる人たちと会いました。日系の人たちが各国で助けを受けながら,それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ,各国から我が国に来て仕事をする人々を,社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています。また,外国からの訪問者も年々増えています。この訪問者が我が国を自らの目で見て理解を深め,各国との親善友好関係が進むことを願っています。」

陛下は、私たち国民がどのように振る舞うべきか、その模範となり、私たちへの指針を示されてきたのだと改めて考えました。

布施高校の生徒の皆さん、そして保護者の皆様、平成の世が終わろうとしているこの時期。陛下が日本国憲法に記された象徴天皇として活動された軌跡をもう一度振り返り、日本国民として如何にあるべきかという「日本人のアイデンティティー」を考えてみませんか?

宮内庁

http://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/25