平成31年、明けましておめでとうございます。

 平成31年元旦、布施高校の生徒の皆さん、保護者の皆様、そして教職員の方々、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 そして布施高校をめざして勉強に励んでいる受験生のみなさん、体調管理は大丈夫ですか?今日は、元旦。今日1日は正月気分を味わってリラックスしましょう。そして、明日からの勉強に向けてエネルギーを貯めましょう。

 さて、私には元旦に行う恒例の"行事゛があります。それは、新聞4紙を買ってきてその社説を読むことです。朝日、読売、毎日、産経という日本のトップレベルの新聞の社説を読むことで、今の世界や日本、そして今年がどんな年になるのかの参考にしています。

 最初に朝日新聞。見出しは、「政治改革30年の先に 権力のあり方を問い直す」ということで、約30年ほど前に始まった小選挙区制について書いている。ご存知のように小選挙区制は、「二大政党制」を生み出す基盤となる選挙制度だが、小選挙区制が導入されたのちの政権交代は、一度のみ。それ以降は、一強多弱状態が続く国会について論説している。

 次は、読売新聞。見出しは「米中対立の試練に立ち向かえ 新時代に適した財政・社会保障に」。現在の世界情勢を米中の覇権争いととらえ、日本の国際社会での地位低下と取るべき道を説いている。欧米がポピュリズムと深刻な分断に悩まされている中で、日本の現状を次のようにとらえているのは、印象的である。

「日本は幸いにも、社会の極端な分断、極右・極左勢力の台頭、深刻な格差といった、欧米に見られる混乱から免れている。安定した社会を、治安の良さや、教育への熱意、勤勉の尊重といった美点とともに次代に引き継ぎたい」

3番目は毎日新聞。毎日新聞の社説は「次の扉へ AIと民主主義 メカニズムの違いを知る」。AIと民主主義というジャンルの違う概念を論じているのが印象的である。そこでは次のように指摘されていた。「なるほど!」と思わせる示唆である。

「民主主義の価値は試行錯誤を重ねるプロセスである。人間は一人ひとり違うからこそ、対話を続けて集団の共感を維持しようとする。処理の速さと分類を得意とするAIとは根本的にメカニズムが異なる。」

「議論をする。互いに認め合う。結論を受け入れる。リアルな肌触りを省いたら民主主義は後退する。」

最後に産経新聞。論説委員長の「年のはじめに」で「さらば『敗北』の時代よ」と題した論説を掲載した。平成の時代を「敗北の時代」としてとらえ、その原因を①奇跡の経済復興の慢心②30年間に18人の首相が入れ替わる政治の混乱③中国共産党独裁体制への支援をあげた。①、②はすぐさま腑に落ちるが、③は「?」と思わせる内容である。そのあとの説明を読んで、「そういう見方もあるのか・・・」と考えさせられた。

さて、布施高校の生徒の皆さん、今日1日どのように過ごしていますか?「1年の計は元旦にあり」と昔から言われますが、今日はどこかの新聞を読んで、世界や日本や、そしてこれからの社会のことについて、家族や友人と語ってほしいと思います。