2月16日(土)高槻市にある私立高槻中学校・高等学校(以下、私立高槻と表します)で、第3回アクティブラーニング公開研究会が開催されました。私は、第1回から参加しており、3年連続の参加になります。この3年間で私立高槻のアクティブラーニングがどのように発展してきたのかを見させていただき、本校のアクティブラーニング型授業の参考にさせていただきました。
3回目の今回の研究会に参加して思うことは、飛躍的に私立高槻のアクティブラーニング、探求型学習の内容が発展したと言うことです。その要因には、やはり、京都大学の松下佳代教授が深く関わっておられることが大きいと思います。昨年の夏に開催された「学び未来フェス」で、私は松下教授の分科会に参加し、教授が提唱される論証モデルの「三角ロジック」について勉強させていただきました(注:右の図)。このときは、「なるほど!」と納得しながらも、「この論証モデルがどこまで授業で実践できるのだろうか?ハードルは高いのでは?」と思っていました。ところが、今回の第3回研究会では、私立高槻で実際に授業で活用されているという報告がなされていたのです。
今、「主体的で対話的で、深い学び」が推奨されています。この「主体的で対話的で、深い学び」には、二つの概念が含まれています。つまり、「主体的で対話的」という学習方法の領域と「深い学び」という学習内容の領域です。主体的で対話的な学びを、どう深い学びに結び付けていくか・・・。これが授業を行う教師の悩みどころです。私立高槻では、特に「深い学び」に注目して、先生方が研修や授業開発に取り組まれています。そして、この取り組みに松下教授の理論が「導きの糸」となって、今回の論証モデルによる授業が実践されたと理解しました。
布施高校でも約半数近い先生が、アクティブラーニング型授業を取り入れ、グループワークやペアワーク、プレゼンテーションなどを実践されています。次の段階は、この学習方法が深い学びにどう結びついていくのかが大事です。また、生徒の学習の様子を見ると、テストのために知識のINPUTを行い、テストのときにOUTPUTする、ということが行われ、学習した後に「どんな理解が残っているのか」ということに「???」がつくように思うことがあります。この理解を松下教授は「永続的理解」と呼ばれています。そして、その永続的理解を導き出すために教師は「本質的な問い」を理解しなければならないと提唱されています。
そこで、生徒達にも考えて欲しいことがあります。単に大学に進学するのに必要と言うことではなく、「この勉強は、何を目的にしているのか?どんな力が着くのか?」ということを考えて欲しいと思います。今、ネット上には知識が溢れています。末端の瑣末な情報は、ネットで探せば、いくらでも見つかります。大事なのは、「物事の本質を見抜き、理解する力」です。授業を受けて、「この授業で最も理解しておかなければならない事柄(=永続的理解)は何か?」を考えて授業を受けて欲しいと思います。そのためには、当然先生方が永続的理解に繋がる授業をしていなければならないのが前提です。
もし、授業を受けて、この点があやふやだと思ったら、積極的に質問しましょう!
「先生、この授業で、何を永続的に理解しなければなりませんか?」と!