No.37 ビブリオバトル 日根野ラウンド

 みなさんはビブリオバトルというイベントのことを聞かれたことがありますか。通常、「知的書評合戦」というふうに呼ばれています。公式ルールがありまして、①発表参加者(バトラー)が、読んで面白いと思った本を持って集まる②順番に一人5分間でその本を紹介する③それぞれの紹介発表後、参加者全員(バトラーとリスナー)でその発表に対するディスカッションを2分間行う④すべてのバトラーの発表後、「どの本が一番読みたくなったか」という基準で参加者全員が投票を行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。こんなシンプルなルールです。

 ただし、ここには大変多くの学習機会が凝縮されています。まず、本を選び出して読むこと。これだけでもすごいことで、まず、面白い本を見つけてくるアンテナや感性を持つ必要があります。次にその本を読み解くための読解力が必要になります。そして、それを聴くもの(リスナー)の興味を引きつけるようにプレゼンテーションする能力が要求されます。それにはまずプレゼン用の魅力的なシナリオを書く力が必要になり、次にそのシナリオを魅力的に話さなければなりません。もうここまでで大変な事だとお気づきいただけますでしょうか。しかし、まだまだ続きます。自分のプレゼンテーションが終われば、それについてのディスカッションが始まります。どんな質問や意見が飛んでくるかわかりませんが、参加者をうならせるような「返し」ができなければなりません。また、自分がリスナー役である時には、よきメンバーとしてライバルのバトラーに対し、鋭い質問・意見(つまり、ツッコミ)をいれる能力が試されます。大人でも難しいレベルですが、最後に、この慌ただしいバトルの末に、どの推薦本に一票いれるかを判断しなくてはなりません。自分自身には投票できないルールだからです。ノーサイドの精神で良いものをみんなで作り上げていくという学習は、大変高度な言語技術とみずみずしい感性を要求されています。

 大阪府教育庁もこのバトルを重要な教育機会として位置付けており、昨年12月25日に第1回大阪府中高生ビブリオバトル大会が開催されました。日根野高校でも、昨年からこのビブリオバトルに取り組んでおりまして、昨年の第1回大会で本校の谷澤花梨さん(当時1年5組)が見事、準優勝を飾っています。素晴らしいことです。そして、今年もバトルの季節がやってきました。

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 11月22日に校内予選、30日に校内決勝とすすみ、今年の日根野高校代表は谷澤さん(2年1組)。連続出場を達成です。本校のバトルレベルは高いので、学校代表の座を勝ち取ることは大変なことです。今年も大阪府教育庁の主催で第2回大会が開催されます。(12月17日13時~大阪府中央図書館ライティホール。観戦自由・入場無料)お時間と興味のおありの方は是非ご観戦を。

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