No.39 ボランティア活動について(3学期始業式)

昨年暮れにボランティア部や有志のみなさんと一緒に、日根野イオンでOSAKAあいさつ運動をやりました。いわゆるボランティア活動です。具体的には、イオンのお客さんに「こんにちは。あいさつ運動してます。よろしくお願いしま~す。」と言ってポケットティッシュをお配りする。そんな活動でした。みなさんはボランティア活動というと、世のため人の為に何か頑張っている。そんなふうに思うのでしょうかね。でもそんな大袈裟なことではなく、身近にいる人がちょっと喜んでくれる。いい気持ちになってくれる。そんなことをする。それが基本のように思います。そこで今日は私がボランティアと聞いてどんなふうに思うかをお話ししたいと思います。

私にとっての最初のボランティア活動は高校1年の夏休みの体験だったと思います。私の通っていた高校は兵庫県の山の中にある田舎の高校で、普通科と林業科がある小さな学校でした。日根野でいう専門コース的なものとして林業科があったということです。犬鳴山のふもとの集落を想像してくれればそんな感じです。学校には林業科の実習林がありました。そこは山間を開いて造成された長細い土地でしたが、同時に県営キャンプ場も併設されていました。要するに学校の実習地の中にキャンプ場があって、夏休みにそこで野外活動のキャンプリーダーをしました。やってくるのは大阪や神戸といった都会の小中学生。私自身はボランティアという実感は全くなかったのですが、小学生にテントの張り方を教えたり、火の起こし方や飯盒炊飯を教えたり、夜になったらキャンプファイアーのリーダーになって盛り上げたり、今にして思えば正にボランティアでした。また、当然キャンプ場の保守管理も仕事だったので、キャンプ場の掃除や下水・残飯処理、テントの補修などもルーティンでした。結構大変でしたが、やはり結果として、多くの小中校生に「ありがとう」「楽しかった」と言ってもらいながら、自分自身も嬉しくて人間力が太くなる実感がありました。この感覚が私のボランティア活動の原点です。ボランティアというと何となく照れくさかったりする部分もあるのですが、多くの人と触れ合う機会を持つことができて、私自身、驚くほどコミュニケーション能力を身につけることができたように思います。

ひるがえって「こんにちは。日根野高校です。挨拶しましょう。」と言ってティッシュを配れば、あっと言う間に心が触れ合って「ご苦労さん。ありがとね。」と言って、にっこりしてティッシュを受け取ってくれる人がほとんどです。でも、試しにバイトで日根野駅前でティッシュ配りをしてみてください。ありがとうと言ってくれる人がさてどれぐらいいますかね。バイト代はもらえるかもしれませんが、その代わり何か大きなものをもらいそこねているように思います。どちらがいいとか悪いとかではありません。違う世界があるということを知ってほしいだけです。ボランティアではお金はもらえませんが、誰かの為になりつつ、むしろ自分に返ってくる部分の方が大きいのではないかと思います。大袈裟に「世のため人のため」とボランティアを考える必要はありません。ボランティアは自発的に誰かの幸せのために金銭の見返りを期待せず何かをすること。お金にはなりませんが、得ているものはそれよりもずっと大切な人間としての力だと思います。そして、そこが身についていれば、黙っていても後からお金はついてくるように思います。

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