No.40 第28回卒業式式辞

桜の芽吹きに新たな春の訪れを感じる今日の佳き日、大阪府立日根野高等学校第28回卒業証書授与式を挙行するにあたりまして、泉佐野市教育委員会 中村絵里様、地元中学校の校長先生方ならびに多くのご来賓のご臨席を賜りました上、多数の保護者の皆さまのご列席を得ましたことは、卒業生はもとより本校教職員一同にとりましても心からの慶びであります。高いところからではございますが、心より厚く御礼申し上げます。

 ご列席の保護者の皆さま、卒業生の皆さん、改めましてご卒業おめでとうございます。そして、私も皆さんからたくさんの力と元気をいただきました。本当にありがとうございました。28期生のみなさんと私は同じ平成26年4月にこの学校の門をくぐりました。その時、みなさんは新入生でしたが私も新米の校長でした。新しい職務を得て重い責任を感じながらとても緊張していたことを昨日のことのように思い出します。君たち28期生は勿論ですが、すべての生徒たちをしっかりと導き送り出してやらなければいけない。そんな気持ちでいっぱいでした。あれから3年、皆さんとはその全ての時間を共有することができました。本当にいろいろなことがありましたが、私は皆さんと同じ3年間を過ごすことができてとても幸せでした。「日根野高校にきて良かったなあ。」と思ってもらえるよう全力で頑張ってきたつもりですが、その答えはこれから皆さん一人ひとりが出してくれるものと思っています。そんな皆さんに校長として最後のメッセージをお贈りしたいと思います。

今日ここにいる全員が4月には新しい人生に向かって飛び出していくことになります。ただ、新しい学校あるいは職場に入ったら、それで全てがハッピー・エンドだというわけではありません。皆さんにとって大切なことは、新しい学校や職場に入ってからどう過ごしていくかということで、これから新しいステージが始まります。時々こんな話を聞きます。「高校の時、あんまり目立たなかったけど、○○君、今ではこんなに立派になってすごいもんだ。人は変わるもんだね。」さあどうでしょう。何がポイントとなってこういう話になるのでしょうか。高校を卒業してどんな進路にすすんだかも勿論大切ですが、新しく進んだ学校や職場で何を考えて何をしたか、むしろこちらがカギを握っているような気がします。人が変わったようだと言われた○○君。いったい彼には何があったのでしょうか。ここからが皆さんに贈る私からの最後のメッセージです。

 覚悟。私はこれがあるかどうかに尽きると思います。彼は新しい環境で何かを学び、頭で考えているだけでなく、生きるうえでの強い思いが持てたのだと思います。素晴らしい学校や会社に入っても覚悟が持てなければ、恵まれた可能性と選択肢の中で「自分探しの旅」を続け、迷い続けるだけかもしれません。逆に素晴らしい環境でなかったとしても、それは確かに選択肢が少なくなってそこは不利なのですが、一方でそれが自分はこの道で生きるんだという強い思いにつながって後戻りしない努力を今日から始める。そしてそれが次第に自信となり大きく花開いていく。最初から天職についたなんて人は多分ほとんどいないように思います。毎日こつこつと目の前のことを積み上げていくことでしか、未来や夢は見えてこない。夢は探すものではなくて、日々の中から生み出していくもの。そう思います。新しい環境に入ってからが本当の勝負だ。と言っているのはそういう意味です。人間には確かに能力差があります。しかしその差はそんなに大きくはなく、覚悟のあるなしで逆転可能です。だから「どんな道を歩むにしても、覚悟を決めて取り組んでほしい。」これが私からみなさんへのメッセージです。

 最後になりますが、皆さんには3年間を共に学んできた友という大きな財産があります。人生に迷う時に振り返ることのできる日根野高校という心強いベースキャンプがあります。未来を創造する若さがあります。その自覚と誇りを持って、それぞれの輝かしい未来に向かって益々精進されることを心から祈念いたしまして、式辞といたします。

平成29年2月24日

大阪府立日根野高等学校長

      岸野圭吾

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