No.49 ひねのプログラム

 今日は、ひねのプログラムについてお話したいと思います。ひねのプログラムは平成27年の一年をかけて原案を練り上げた「キャリアを考えるための3年計画プログラム」です。このプログラムの目的とするところは、「生徒が全人格的かつ実践的な学習や体験を積み上げることによって、自らの進路を自らの力で発見し決定する力を身につける。」ということです。そして昨年、平成28年度から運用を開始いたしました。

 私が、このプログラムの必要性を感じたのは、生徒たちの3年間の成長過程を見ていてのことになります。おそらく理想を言いますと「高校生なんだから自分の道は自分で切り開きなさい。私たち教師はずっと見守っているから困ったときには自分から相談に来なさい。」ということになると思います。生徒の自主・自立の素養を育むためのサポート体制。教え導くのではなく寄り添い励ます。自分で自分の未来を切り開いていく生徒との対話。整った言葉にすればこういうことになるのだと思いますが、さて現実はどうでしょうか。例えば、本校のようなごく普通の中堅公立高校では、生徒たちがキャリア形成への入り口を見つけるところで躓き、結局今の自分の力でいける進路を一生懸命探しまわる。多くの生徒がそうなっていないでしょうか。勿論、高い目標を掲げ、立派に自分のキャリア形成を進める生徒もいます。でも現実的にどのくらいいるでしょうか。そんなふうに感じたことが、ひねのプログラムを作ろうと思ったきっかけでした。

 生徒たちは、自らの進路を考えるとき迷います。今も昔も同じことです。それは良い迷いだと思います。しかし、迷うところまでも悩むところまでもいかず、現状の手の届くところで手を打とうとする状態が少なからず目の前で展開されるのを看過することはできません。勿論、受験にもお金がかかり冒険や挑戦ができない事情もあるかもしれません。しかし生徒たちが良い悩みに入るまでは、それも含めて教師の務めとしてガイドしていく必要があり、そこが教師としての頑張りどころです。そのための合理的ツールとして「ひねのプログラム」を考えました。具体的には、週1コマをプログラム運用の時間とし、人間関係やコミュニケーション、仕事と職業、地域と社会貢献活動等を通じ、人としての生き方を考え、自分の立ち位置を常に確認しつつ自分の未来や夢を見定め、それに向かうための具体的な進路選択を考える。そんなプログラムが3年通しで作られていて、生徒たちはそのプログラムをすすむ過程で、それぞれがそれぞれのタイミングで自分の将来について悩み迷い、そして発見し決心するに至る。これがこのプログラムの基本構造となります。

 今年は運用2年目になりますが、まだまだプログラムは完成しておりません。と申しますか、進化し続けるプログラムだと思っておりますので、生徒のキャリア形成への道筋を照らし続けるプログラムとして、修正を続けながら永遠に時代の変化に対応していきます。私たち日根野高校の建学の精神は、校訓にもありますように、自立・共生・友愛の精神です。この精神を身につけ社会の一員として生きていく、そのために必要なキャリア形成上のプログラム。それが「ひねのプログラム」であると考えております。

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30