• トップ
  • 2018年
  • 3月
  • No.53 何かを変えるには(平成29年度3学期終業式 式辞)

No.53 何かを変えるには(平成29年度3学期終業式 式辞)

 一年の締めくくりの時期になりました。今日から4月9日の始業式まで、この一年を振り返ってみて、修正すべき点を修正して新年度に備える、そんな貴重な20日間です。

 最初に少し面倒な話をしておきますと、人間というのは(と言いますか)生物というものは、生存本能を強く持っていて、できるだけエネルギーを節約温存して日々を生き抜いていこうとするそうです。そうでないと外敵からの突然の攻撃に対抗できないからです。つまり、できるだけ余計なこと無駄なことをせず力を蓄えたまま生活しようとするということです。もう少し平たく言いますと、変化することを好みません。どんな小さなことであれ、変化に対応するには、普段より大きなエネルギーを使わなければならないからです。ですから、外敵に攻撃を受けない限り「自分から余計に動くこと」は極力避けようとする。いつもどおりやろうとする。」これが生物学的法則のようです。

 このことを自分に置き換えて考えてみましょう。今の自分に満足しているかどうかに関係なく、何かを変えたいと思っている人はたくさんいると思います。でも、どうでしょう。実際、何かを変えようと具体的に行動できていますか。おそらく思っているけど動けない、こういう人のほうが多いのではないかと思います。かく言う私もその一人です。何かを変えようと思うと、いろんな面倒くさいことがいっぱい頭をよぎって、「まあ、なんとかなってるんだから、今のままでもいいか・・・」とエネルギー温存の法則に従ってしまいます。ということは、変化に向かう人は「このままではどうにもならない」と強く思えている人ということになります。「このままではだめになっていく」と思えるということは大事なことで、これがなければ大きなエネルギーを使ってまで何かを変えていこうとはしない、ということになります。

 なんでも変えるのがいい、ということを言いたいわけではありません。「このままではだめだ。変えなきゃ」と思う原動力について考えてみたいだけです。その一番の原動力は多分環境の変化でしょう。私たちが生きている環境は、はっきりと目には見えないけれど刻々と変化を遂げており、今までどおりでいいじゃないか、というだけでは自動的に少しずつずれていきます。気が付くか付かないかの差があるだけです。みんなで言えば学年がひとつ上がるというのがその環境の変化です。学年がひとつ上がれば置かれた環境と立場が確実に変わるのですから、今までと同じようにしていては、普通、何かがおかしくなってしまうはずです。それを自分で真正面から見つめるかどうかが大切です。

 環境変化に対応するために少し頑張ってみませんか。まず、英検を受けよう。できれば全員。どの級を受けるかは先生に相談してください。次に本を読んで読み解く力をつけよう。難しければ国語の教科書の精読から始めよう。この2つでみんなの進路の可能性は大きく広がるはずです。最後にさらに難しい進路をめざすなら古典に挑もう。決して古典から逃げない。他にもありますが、今日はこれだけにしておきます。せっかく「ひねのプログラム」で一生懸命自分の進路を考えているのですから、今言ったことに本気にならないと勿体ないことになります。英検と読書プラス古典。今日から変えていきましょう。ただし、変化への「よ~いドン」の笛は誰も吹いてくれません。自分でスタートの笛を吹くしかありません。だから待っているだけの人にはいつまでたってもスタートの笛はなりません。知らないうちに相手はちゃっかり自分でスタートの笛を吹いてどんどん走っていきます。早く自分でスタートの笛を吹かないと、ずいぶん不公平なレースになると思いませんか。

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30