No.61 言葉の力をつけてほしい。(2学期終業式)

 SNSの時代、言葉の使い方ひとつで大炎上する時代です。今日はそういった言葉のことについて考えてみたいと思います。言葉を持たない民族はないと思いますが、語彙力こそが人間とそれ以外のものを区別する決定的な違いのひとつだと思います。語彙力、つまり知っている言葉の数が少なければ、自分の考えや感情を整理してまとめることも深く掘り下げることもできませんし、人とコミュニケーションを取ることも苦労するでしょう。このことは外国語を想像すればよく分かると思います。まず、何が起こるかと言うと、言葉が分からないので行動が消極的になります。次に、誤解されやすいのでやたら衝突が起こります。例えば英語。みんなどれくらい単語を知っていますか。普通の高校生が3千語。英検2級クラスで5千語くらいと言われています。英語の場合、その範囲で自分の考えや感情を整理して思考しているわけですから、普通の高校生で2~3万語、大人で3~4万語知っていると言われている日本語で考えるのとは深さが違って当然です。

 そして語彙を増やすには、文字にたくさんあたるかしかありませんが、手っ取り早いのはやはり読書。普段は忙しくて本を読めないと思いますので、この冬休みに是非読んでください。言葉数が増えれば思考が深くなり、感情も豊かになります。他教科の勉強についても設問の意図や構成が分かるようになって、もっと解けるようになるはずです。

 もちろん言葉の数が増えればそれでいいというわけではありません。そこからは、どう使いこなすかです。コミュニケーション能力の高い人というのは、この豊富な言葉の数を上手に組み合わせて使います。時には子どもでも分かるような簡単な言葉だけで他人の心を掴むこともありますし、非常に適切な言葉を選び出して聴く人を教え導くこともあります。この能力を身に付けるは、どれだけ他人と話をする機会を重ねるかが勝負になります。

 みなさんはまず語彙力を4万語まであげつつ、使いこなすトレーニングもする必要があります。いろんな人、良く知ってる人だったり知らない人だったり、意気投合できる人であったり、意見の合わない人であったりしますが、できるだけ多くの人とかかわって話をすべきです。意見は違って当たり前、むしろ違う方が健全でコミュ力が上がります。そう思って言葉の力をつけてほしいと思います。

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