本日、1学期の終業式を行いました。
始業式ともに、体育館で実施するのは3年ぶりとなります。
体育館にクーラーが設置されてから3学年そろって体育館に入るのも初めてのことです。
校長先生から始まり教務部長、生徒指導部長ととても熱い話が続きましたが、今日ほどの暑い気温でも今まででは考えられないほど体育館の中は涼しく快適で、生徒たちは真剣に聞いていました。
1学期のことを振り返り、2学期からどう過ごしていくのかは自分で決めていくことであって、しっかりとそのことを考える夏休みにしてほしい、というお話でした。
3年生にとってはとても大事な夏になることと思います。
1年も2年も、それぞれ、今しかないこの2023年の夏を、充実して過ごしてほしいと思います。
ケガ無く元気な姿で8月にお会いしましょう!
【学校長 1学期終業式式辞】
話をするにあたり、予め伝えたいことがあります。ひとつは、皆さんはそれぞれに高い能力を持ち、私が生きた時代より半世紀も先の凄い時代を生きる凄い人になるのだと、いつも思い、そのうえで何をどんな言葉で伝えるか、まだまだ未熟ですが、今の私にできる精一杯をこの10分に詰め込んで話すという気持ちでいるということです。ふたつは、この時間がどれほど皆さんの生き方に影響を及ぼすか、ほんのひとかけらでもいいから考えるきっかけになればとの思いで、皆さんも言葉の一つ一つを精一杯に受け止めて聞いてほしい。この2つが研ぎ澄まされたとき、真に「伝わる」ということが起きるのだと思います。では、よろしくお願いします。
さて、1学期は自分にとってどうでしたか。平安な心で自分らしく気持ちよく過ごすことができましたか。そして、人にはやさしさと思いやりをもって接することができましたか。生きていたら、しんどかったり、辛かったり、迷ったり、時には人を恨めしく思ったりすることもあるでしょう。特に皆さんの年齢は私もそうであったように、自分とほかの人とを比べて、自分はどうだ、あの人はこうだと、つい、思ってしまいがちです。そんな時は、おおよそあんまりいい心持ちではなくなるもので、どんどんネガティブになったり、あるいは、うぬぼれたり、良い心持ちにはならないものですね。
そこで、今日はどうすればそんな思いと決別することができるか、その方法を、1つのヒントになればと思って話します。
それは「ほんまもんの目標を持つ」ということです。「ほんまもんの目標」とは、具体的にどういうでしょう。そもそも目標の「標」の字はどこのことですか。木辺なので一本の木のある場所を指しています。
そう、大きな木にはたくさんの枝があって、その枝の先っちょをそれぞれ梢と呼ぶのは知っていますね。目標の標も元々は「こずえ」と呼んでいたそうですが、ほかの梢とは違う一本の木にただ一つしかないてっぺんの梢を指すとき「標」の字を使ったそうです。すなわち、本当にしたいこと、自分がめざす最高を目標というのです。だから、ほかの人と比べて、「いやいや無理無理」、「ここで十分いいや」、と目標を下げた瞬間、それは目標とは言えないかもしれません。どうか、自分がめざす最高を、あきらめることなくめざし続けてください。また、まだ具体的な目標がないという人は、学校生活を大切に、精一杯いろいろな学びを続けてください。目標はその向こうにあります。
では、なぜ「ほんまもんの目標」を持つと、ほかの人と比べて自分を見るような思いと決別できるのでしょう。それは、比べる相手が「昨日の自分」になるからです。働いている人はおおかたそうだと思います。例えば、この眼鏡一つとっても、作り手は「だれだれさんよりもいいものを作ってやろう」などとは思っていないはずです。自分にとって最高の眼鏡を作ろうとモノづくりに集中しています。写真部の皆さん、ファインダー越しにシャッターを押す瞬間、最高のアングルで撮ろうと、ほかの人がどんな写真を撮るかなんて頭にないですよね。ここに持ってきたこの本も、書き手は自分にとって最高の作品にしようと、もっといいものを、と、自身の思いを詰め込みます。常に相手は昨日の自分なんですよね。
3年生の皆さん、模擬試験で一番大切にするのは、判定ではありません。そこにはほかの人の姿が見えるからです。大切なのは目の前の問題、そこに集中するのです。昨日はできなかったけど、今はできる。その積み重ねです。すると、良く集中できて気持ちもいいものです。クラブで頑張っている人も同じ。
自分にとって最高のパフォーマンスを発揮する。その気持ちに集中することです。そうすると、毎日を気持ちよく自分らしく過ごせるかもしれないですよ。今日はこのことを伝えたかったのです。これで話を終わります。