クリーンピックと広報委員会の後は、お昼を挟んでPTA主催講演会でした。今年は、豊中市社会福祉協議会でご活躍の勝部玲子さんにお越しいただきました。
勝部さんは、NHKドラマ「サイレントプア」で深田恭子さんが演じられたコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)のモデルであり、その後も「プロフェッショナル仕事の流儀」や、「あさイチ」でも特集された、日本のCSWトップランナーです。そして、実は北野高校94期生、子どもたちの大先輩でもあります。
貧困というと縁遠く感じられる方も多いかもしれませんが、経済的な困窮だけを指すのではなく、「人間関係の貧困」というものもあるんです。今回は、この経済状況や学歴に関わらず、誰にでも起こり得るテーマでお話いただきました。
講演の途中に流してくださったドラマのワンシーンは、どれも昭和の親に育てられた私たちには既視感のあるものであり、胸が苦しくなるシーンもありました。そんな中で、自分を出せないままに孤立してしまう。「助けて」の一言が言えなくなってしまう。
日本人は優しいけれど「強くあらねば」「弱みをみせてはいけない」と思ってしまうことが多いように思います。何かに行き詰まった時、家族や友達だからこそ相談できない時、いつのまにか、家族も友達も周りにいなくなって困っているのに「困っている」と言えなくなってしまう。
勝部さんのお話に出てくるのは大人から子どもまで年齢層も環境もさまざまです。そして、実は素晴らしい才能を持っていらっしゃる。「何もないんです」「何もできないんです」ではなく気づいていないだけという方が多くいらっしゃいました。そこを少しずつ社会とつなぐ、誰もおいていかない、ひとりぼっちをつくらない。素晴らしいお話でした。
ちなみに、最近夕方の情報番組でも話題になっていた「豊中バナナ」。そのバナナを育てている「豊中あぐり」は、定年後のお父さんたちの居場所づくりのために始まった活動なのですが、なんと、きっかけは北野高校でした!
勝部さんが六稜同窓会開催の六稜トークリレーで講演をされた際、その講演を聞かれた北野高校の大先輩が、土地を貸してくれることになり、坪単価100万円の130坪の土地をどうしようかと考えて生まれたのが「豊中あぐり」なのだそうです。すごいですよね。
PTAというのも一種のコミュニティですが、ゆるく、ほどよくつながりながら、どんどん手元から離れていく子どもたちを大きく見守り、保護者同士も支え合えるコミュニティでありたいと思いました。
勝部さん、本当に素晴らしい講演をありがとうございました。