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北河内ブロック実践報告会『支援学級の充実に向けて』

1月28日(木)大阪府立枚方支援学校を会場に平成27年度支援教育地域支援整備事業北河内ブロック実践報告会『支援学級の充実に向けて』を開催しました。

2年目の取り組みとなる今年度は、北河内地域の3つの小学校と支援学校5校が協働し、それぞれの取り組みを進めてきました。

当日は、取り組みの内容と成果を北河内地域の小中学校の先生方や市の教育委員会、府立支援学校の先生方などの多くの方々に報告しました。

 

 

<実践報告内容>

 

○交野市の小学校との取り組み

「全校で取り組む支援教育~支援学級・通常の学級での協働から~」

 

校内のインクルーシブ教育システム構築に向け、支援教育チェックシートの改善や、通常の学級と支援学級の協働の研究、子ども理解シートの作成に取り組みました。

支援学級と通常学級の担任が協働してインクルーシブ教育の視点で授業研究を行い、ペアトークの実施や、ワークシートの活用を進めていきました

実態把握を大切にし、合理的配慮の視点を取り入れることで「みんながわかる授業」を作り上げました。

 

 

○寝屋川市の小学校との取り組み 

「子どもの姿から見る課題の設定について」

 

支援学級での個別の学習に焦点を当てて取り組みました。

学習中に教員側から『課題』としてあげられる児童の行動について、様々な見立てを行いました。

そして、授業者が環境を整え、授業の見通しを持たせる工夫を行い、発達段階に応じた学習課題を設定することで意欲的に課題に取り組む姿へと改善していきました。

表面の行動にとらわれるのではなく、子どもの「分からない」を把握し、適切な課題を設定することが子どもの主体的に生きる力を充実させていくことにつながりました。

 

 

○四條畷市の小学校との取り組み

「私が変われば子どもが変わる~取り組みと関わりの工夫と共有~」

 

2人の児童の個々の対応や支援を支援学級担任団で検討を重ねていきました。

チームで検討を行うことで、「表現を肯定的に」や「カードを取り入れ効果的にほめる」、「自立を考えた距離感を大切にする」など様々なアイデアや、視点が生まれ、個々の児童に対する取り組みを担任団全員で共有することができました。

そして教員の取り組みの変化が子どもたちの活動の変化と成長につながっていきました。

チームでの検討を行うことは様々なメリットがあり、結果として支援学級全体の支援教育力を高めることができました。

 

 

<講評・講演>

大阪府教育委員会 指導主事 武田様より講評と講演をして頂きました。

 

支援学級の在籍者数など近年の支援教育の動向と大阪府の「支援教育地域支援整備事業」について示され、「支援教育における地域連携は今後は連携から協働の形となっていってほしい。北河内ブロックの取り組みでは協働の形で取り組んだことがすばらしい」と話されました。

 また、今回の報告の3小学校の取り組みについて、次のようにポイントをまとめていただきました。

 「実態把握は常に取り組んでいくことが大切。」

 「具体物を使った学習は段階が達成できれば終わりではなく、可逆的なものであるべき。」

 「支援ツールを生活年齢や、TPOに合わせて変化させる。」

 「支援学級と通常の学級の協働は大切な取り組みである。」

 「サブティーチャーの役割について考え、共通理解をしていく事は大切。」
 

 

<次年度に向けて>

 

『支援学級の充実に向けて』の取り組みは次年度で3年目となります。

 今年度の取り組みから得たことを新たな協働校との取り組みへ活かして行きたいと思います。

 次年度も支援学校との協働を受けて頂ける小学校・中学校を募集していきますので、ご協力お願いします。