(第16話)早期教育ってめっちゃ大事でっせ(その2)

「校長はん、『北やんは5日まで校長室立ち入り禁止』って何ですねん」

「大事なお客さんが3日、4日と来てましたんや」

「せやかて、立ち入り禁止は殺生でっせ」

「すまん、すまん」

「で、大事なお客さんって、誰でんねん」

「誰でもええがな、教育委員会関係の人や。それより、前の話の続きや。早期教育が大事やって話」

「ああ、あの重たい話やな」

「別に重たあれへんで。生まれた子どもに視覚障がいがあるってわかると、親御さんはいろいろなところに相談すると思うねん。医療だけやのぉて、福祉、臨床心理士など...」

「相談していく中で保護者さんの気持ちが落ち着いていくとええけどな」

「その中で大事なんが教育やねん。子どもは視覚に障がいを持ちながら成長していく。何もせんかったら、目が見えてる子どもに比べて、視覚だけやのぉて、少なからずいろんなところに遅れが生じてくる可能性があるねん」

「そういうこともあるんやろな」

「その中に子どもの将来の教育に向けた乳幼児相談てのがあるねんけど、それがうちでやってる『こぐま教室』やねん」

「ふぅーん、そんなんやってまんのか、ワシは知らんかったなぁ。それで何やってまんねん」

「こぐま教室については、こちらのページを見てもらったらええけど、何が大事かっちゅうと、

見えないことで、前にも言ったけど、ものへの興味が起こらんかったり、動きが少なくなったりしまんねん」

「そのまま放ったらかしにしとったら絶対あかんな」

「そうや、幼稚部やこぐま教室では、耳や手など他の感覚を使った遊びや、少し見えてる子やったら、残ってる視力を使った保育をやってまんねん。こんなん、ほかではやってくれまへんで」

「これが専門性ちゅうもんでんな」

「そうや。また、保護者さんどうしの交流も大事やねん、視覚に障がいのある子は少ないからここでの交流はほんまに貴重やねんで」

次回に続く