台風

台風が近づいてきます。

 

近畿では水曜日から金曜日にかけて警戒が必要です。

明日明後日までテストがあるので、少し心配ですね。

 

日本列島縦断の可能性もあるので、大きな被害がもたらされるかもしれません。

 

毎年どこかで被害が出る台風ですが、これはなぜ発生するのでしょうか?

 

味噌汁がお椀の中で対流しているのを見たことがありますよね?

台風.png

これは、お椀の上部の味噌汁が空気に触れて冷えていまい(重くなって)下がるのと

下部の味噌汁はまだ温かい(軽い)ので上がろうとするのによっておきます。

 

台風もでき方は同じです。

南の海上で温められた海水が蒸発して上昇気流になり、

上空で雲をつくり、雨となって下降していきます。

 

台風は海水が温められることによって(それと地球の自転の影響もありますが)できますが、

日本付近でできる低気圧は

温かい空気と冷たい空気が出会うことによる温度差から上昇気流ができます。

この場合は前線を伴います。

台風は勢力が弱くなると熱帯低気圧になりますが、これは前線を伴いません。

一方、日本付近でできる低気圧は温帯低気圧と呼ばれ、前線を伴います。

 

また、今はまだ梅雨が明けていませんが、

梅雨前線や秋雨前線も温かい空気と冷たい空気が出会うことによってできます。

つまり、熱帯地域には(冷たい空気がないので)梅雨にはなりません。

 

台風や大雨は大気が温められることによっておきます。

これは太陽光によるものです。

 

台風や大雨は迷惑なものですが、

太陽のエネルギーを受けて大気が地球規模で移動することで

地球全体の気候が一定に保たれています。

これがなければ、熱帯はもっと暑く、極地はもっと寒くなってしまい、

生物には生きづらい環境になってしまいます。

 

エネルギーをもらって物質が移動する(対流する)例としては、

太陽エネルギーをもらっての海洋水の循環や

地球内部のエネルギーをもらってのマントルの循環があります。

マントルの循環は地震や火山噴火を引き起こし、時に甚大な被害を引き起こしますが、

こうした地殻変動があることで、新たな地面が生まれ、地下からたくさんの物質が供給されます。

また、海洋水の循環は海洋水をゆっくりかき混ぜることで、海洋水中の酸素を一定量確保し、

海洋の生物多様性に貢献していると考えられています。

 

地球上には日本よりも変化の少ない地域はたくさんあります。

(実は世界的に見て、日本は変化の大きな地域です。)

雨の降らないところ、地震の起きないところ、何万年と変化の見られないところ。

 

しかし、そういう地域だけでは現在のような生物多様性は実現できません。

 

つまり、日本は生物多様性の根拠を感じられる地域なのです。