満月

昨日の満月見ましたか?

満月.JPG

 

 月が本当の球ではないことが、天動説を否定する根拠だったって知っていますか?

「天体は(完全な図形である)球形で、地球の周りを(完全な図形である)円軌道で動いている」

 と考えられていました。

そのため、月が球形でないことが天動説否定の根拠になるとガリレオ・ガリレイは考えました。

今となればおかしな話ですが、近代科学誕生の頃は科学者の認識はそんなものでした。

ガリレオは自ら望遠鏡をつくって、

月の表面が凸凹していて完全な球形でないことを観察しましたが、

実は肉眼でも月が完全な球形ではないことは分かります。

完全な球形ならば、表面に当たった光はきれいに反射されるので、

特定の場所(この場合は縁の部分)は暗く見えるはずです。

全体が均等に明るく見えるためには、表面が凸凹していて、光が乱反射する必要があります。

 

月の表面の凸凹はなぜできたのでしょうか?

理由の1つは月に隕石が衝突したためです。

これをクレーターと言います。

下の写真で、拡大されたところの赤矢印に示すのがクレーターです。

満月2.png 

 地球に落下する隕石は、大きくなければ大気圏突入の際に燃えつきますが、

大気の極めて薄い月では、隕石がそのまま落下してきて、クレーターができやすいのです。

また、形成したクレーターが風化や浸食などでなくなることがない(大気や水がないため)ので、 

 いつまでも残り続けます。

 

その他にも、月の表面を凸凹にしているものがあります。

それは地殻の厚さの違いです。

地球でも地面の高いところ、低いところがあります。

一般に、地面の高いことろは大陸や島をつくり、

低いところは(水に潜って)海や湖などをつくります。

月でも同様に、地球から見て明るいところが地面の高いところで、

暗いことろが低いところです。

先ほどの写真の左半分や上のあたりは暗くなっているので、

(もし水があれば)海になります。

つまり月も地球と同じで、大陸と海洋を持っているのです。

 

この月の海の部分が、日本では餅つきをしているウサギにたとえられました。

写真の黄色の部分がウサギの頭です。

満月3.png 

地域によっては、この部分がカニのはさみにたとえられています。

もちろん、月にはウサギもカニもいませんよ!

 

さて最後に問題です。

満月はどちらから欠け始めるでしょうか?

今日から数日間、月を観察してみてください。