事前研修(プレゼンテーション)

 去る7月1日(月)、2つのグループに分かれてプレゼンテーションの事前研修を行いました。半月以上前に生徒には告知をしておき、忙しい中で各自がグループごとに取り組みをしていたようです。

 テスト前の忙しい時期ではありましたが、与えられたトピックについて発表をしてもらいました。私が見たのは半分だけでしたがその感想を簡単に。

 

 英語に関しては、正直それほど期待をしていたものではありませんでしたが、よく調べられていたなと感心しました。ただ、プレゼンテーション能力についてはまだまだ、といった感じでした。まずは、カンニングペーパーの存在。ある程度のあらすじを与えられた時間内に話しきるためには必要なツールですが、そこには誰もが話す予定の前文が書き込まれている。しかも、最後の班の生徒たちは必死にそれを暗記している。まだまだ特訓は必要だなと実感しました。発表するためには凄くいい情報が盛り込まれているのに、自分の言葉ではないから相手には伝わらないのです。聞いていた生徒に尋ねてみても、案の定全く残っていませんでした。

 

 そうした話し言葉での不足を補くべく使用を推奨したのがパワーポイントをはじめとする映像・動画・音楽など。半分の班で利用をしましたが、その班のメンバーの発表はそれらを使用しない班と比べてわかりやすさが全然違いました。ここでも生徒たちに体感してもらえたかと思います。いかに視覚や聴覚がお互いのコミュニケーションを円滑にするツールであるかということが。

 

 私はそういう点では今回はあまり手を差し伸べませんでした。意地悪だったかもしれませんが、まずは生徒たちに実践させてみる。教師は手や口を出さない。生徒から求めてきたときに初めて差し伸べる。今回、プレゼンテーションを実施してみて、また他の班の発表を見てこれから自分たちがどのような能力を身につけるか、そのためにどのようなトレーニングを積んでいくか、ということを理解してもらえたと思っています。

 

 そして2つ、残念で不安に感じたことがあります。1つめは、グループでの発表である、と伝えていましたが、個人の発表を複数人分行うような形になり、全くトピックとしての一貫性がなかったことです。互いに忙しくて時間が作れなかったかもしれませんが、私は違うと思います。少しだけでもそのような時間を作ろうと生徒個人が一歩踏み出せなかったことが最大の要因です。このままでは、この班のメンバーはイギリスに行っても絶対に他国からの学生に溶け込めないと注意しました。同じ言葉を話す、同じ学校の生徒間でこの程度のコミュニケーションから逃げていることでどうやって言葉の違う相手と友達になることができるでしょうか?みんな同じ意識を持っているのだから、積極的になってほしいと感じました。

 

 もう一つ。それは、ルールを守れなかったことです。前もって紙を持たない、そういう約束をしました。当日も始まる前に念押ししましたがやはり絵の後ろにカンペを忍ばせ、ある生徒はところどころでその紙を広げ、読んでしまいました。このプレゼンテーションの目的の一つに、自分の言葉で相手に語りかけることの大切さを知ってもらうということを挙げました。下手でもいいし間違ってもいい。どうやって自分の言いたいことを英語で表現できるか、と頭をフル活用させて考えるトレーニングをしてほしかったのです。これはトレーニングすれば必ずできるようになります。しかしダメでした。そして、叱ってしまったことなのですが、集団生活の中で決めたルールをきちんと守ること、これができなかったことが残念でした。18日間、申し訳ないですが少ない教員の配置で生徒をサポートしなければなりません。まだこれぐらいは、と感じたところがあったのかもしれませんがルールを守れないとお互いの信頼関係にヒビが入ってしまって信用できなくなってしまうと話しました。

 

 厳しすぎる、というご意見があるかもしれませんが、それだけ教師が期待を寄せている証拠でもあります。必死の思いで保護者にお願いしてやっと参加できたこの研修です。学校としても精一杯生徒たちのやる気に応えたいし、それが緩んだ時はきっちりと締めないといけません。最後には笑って楽しかった、と言えるだけではなく、大変な思いをしたけれど1人1人がためになった、と思えるような研修にします。今日からテストが始まり、語学研修のことはいったん端に置くことになりますが、テストが終われば私も生徒も保護者の皆様も語学研修一色となります。みんなが満足できる研修になりますよう、今後ともご支援・ご協力をお願いします。

 また、校長にもプレゼンテーションを見学してもらいブログにその様子が記されていますのでぜひご覧ください。