140718 1学期終業式でのあいさつ

平成26年7月18日 1学期終業式でのあいさつ

おはようございます。明日から夏休みです。3年生は夏休みが明けると、進路獲得に向けていよいよ活動開始です。高校入試という関門をくぐってきた皆さんですが、今回の関門は少し勝手が違うかもしれません。高校入試では、失敗しないことをまず考えたと思います。でも高校卒業時の進路獲得では、失敗することも計算にいれておかなければなりません。就職でも大学受験でも一回目の挑戦で合格する確率はかなり低く、成功するには何度か挑戦する必要があります。さらに大学へ進学して卒業時の就職活動では、多くの人が何十社も受けて、やっと決まるという状態です。これからの人生では、失敗は避けられないと思って下さい。でも失敗は無駄になりません。

経済産業省から天才プログラマーとして認められ、iPhoneアプリの開発を行っているユビキタスエンターテインメントという会社の社長である清水亮氏は、プログラマー出身の経営者で会社をつぶしてしまった例をほとんど見ないと言います。それは、自分で作ったプログラミングが動かないという失敗を何度も経験し、そうした経験の積み重ねが、危機回避や堅実な経営判断といったものに直結しているからだと述べています。

つまり、小さな失敗を何度も経験しておくと、大きな失敗をする前に気づいて回避できたり、たとえ失敗してもどうすればやり直せるかを思いつくことができて、最後には大きな成功につながるようです。

さて、夏休みです。12年生の人は部活動や宿題で、3年生の人は進路獲得の準備で忙しいかもしれません。でも普段より時間の余裕があるので、できるだけいっぱい失敗体験をしてほしいと思います。そのため、どんなことでも、自分の限界だと思っている少し上のところを目指して下さい。できそうに見えてもなかなかできない、どうすればできるかと何度もやり直す、この作業が失敗体験の繰り返しと同じ効果を生みます。限界を突き抜ける、いわゆるbreak throughは、たとえば、サッカーのリフティングが80回できる人なら、夏休み中に連続100回を目指す、英語が苦手な人なら英単語を毎日覚えて、毎週週末にテストをして毎回80%以上正解を目指す、読書嫌いな人なら夏休み中に30冊読破するなど、いろんなことで挑戦できます。読書に挑戦するなら図書館だよりの「高石高校の100冊」も参考にして下さい。

こんなbreak throughもあると、私も本を紹介しておきます。石田衣良の「明日のマーチ」です。派遣社員として働いていた4人が、クビを切られてやることもなくなったので、工場のあった山形から東京まで600キロを歩いて行こうとします。ネットを通じてマスコミに取り上げられ、思いとは違う形になっても、やり遂げようとする話です。600キロを歩きとおすというのも、break throughになると思います。

この夏休み、皆さんそれぞれのbreak throughに、挑戦してみて下さい。これで終わります。